2014_09
08
(Mon)11:55

賭けの勝敗-4(記憶喪失の為の習作2)

間が開きましたね。
その割に新居のメンテナンスは進んでないし…

さてさて…皆様の予想通り?

2014/9/8初稿




■賭けの勝敗4(記憶喪失の為の習作2)



煎れたての珈琲を片手に蓮はリビングの窓辺に近づいた。
バルコニーに出ようとして…その理由が分からず眉を寄せる。
そこから何を見ようというのか。

♪・♪・♪~

マンションエントランスではなく、玄関前からのインターフォンのせわしない呼び出し音
打ち合わせをしようと約束していた社に違いないが、らしからぬ鳴らし方に首をかしげながら解錠した。

「蓮!エントランスから出てくるキョーコちゃんを見たぞっ!まさか…」

ドアが開くなりまくしたてる社に、もうばれたのかと少々バツが悪い。

「ええ…すいません。日本ではおとなしくすると言っておきながら」
「ってことは」
「はあ…まあ…、今回は…無事…といいますか」

流石にそこまで告げるのは抵抗があるが、現場での人間関係は大事だし、それに社の協力は欠かせないので仕方ない。

社は実に複雑な表情をして見せた
目は一瞬強く輝いた後、キョロキョロと挙動不審に動き、眉は垂れ下がったかと思うと今度はよった。口角も上がりかけて…戻る

「…付き合いだしたとかじゃないのか?」
「いえ?そういう訳では」

社の眉間に皺が刻まれる

「…それにしたって、関係を持った女の子を朝に1人で帰らせるなんてお前らしくないぞ」

流石敏腕マネージャー、鋭い

「いや…近いから歩いたほうが早いって彼女が」
「だとしても、初めての女の子に「初めてじゃありませんでしたよ」」

え、と社が呆然とした顔を見せる

「別におかしいことじゃないでしょう。彼女、22でしたっけ?一般人でもその年でバージンの子なんて少ないんじゃないですか?」

そう告げながら、自分も理解する。
昨夜の失望。そしてその後の小さな苛立ちの訳を。

「はじめてじゃ…なかった?」
「ええ」

動揺した様子の社を不思議に思いながらも蓮は同意した。

「とりあえず中で…「悪い、蓮!」」
「え?」
「打ち合わせは現場でしよう。急用を思い出した!」

叫ぶように告げると、社は踵を返して走り出し、エレベーターに乗り込んで行った。

「なんなんだ。いったい」

リビングに戻り、冷めてしまったコーヒーをすすり、考える。

キョーコは確かに初めてではなかったが、不慣れな様子だった。
身体を開くのも、声をあげるのも、蓮の姿を見ることにさえ躊躇いがちで、その姿でより一層昂ぶったのは確かだ。
そして、キョーコの中に触れて初めてではないと知った途端。それは生まれた。

衝撃。怒り。苛立ち。焦燥。

だけど、昨夜は征服欲の方がはるかに勝っていて、経験あるならいいだろうと自分に言い訳をして、何度も何度も貪った。
最後は気を失ったキョーコを抱え込むように眠って…
目が醒めると自分の胸の中にある無防備な寝顔があった。
そのことに得も言われぬ幸福感に満たされる。小さな笑みをたたえた唇に手を伸ばしかけて…気が付いた

この寝顔を見た男が他にいるのだと

そこから先は自分でも最低だったと思う。

目が醒めたキョーコに「おはよう」という顔は自分でもわかるほど強張っていたし、シャワーを借りたいと申し出たキョーコがなんだか慣れた様子でバスルームに向かうのにもイライラした。
そして「近いですから歩いて帰ります」とキョーコが言ったのをいいことに追い出したのだ。

コーヒーカップをテーブルに置いて、蓮は髪ををくしゃりと乱した

自分の行動が理解できない。

処女性になんてこだわりはなかったはずだ。
そもそも、10代の頃アメリカで付き合った女性にバージンの子なんて一人もいなかった。

それなのにあの様だ
感情がこんなにもコントロールできないだなんて
しかもその感情の名前が何か分からないだなんて

*
*

「あれ、京子ちゃん、早いね~。入り時間もっと後じゃなかった?」
「なんか目が醒めちゃって。控室の方が台本集中できるかなって。それに事務所の方と打合せを」
「朝早くからお疲れ様だね」

スタッフとにこやかに挨拶を交わし、キョーコは控室が並ぶ一角を目指す。
まだ俳優陣がくるには早い時間でその一帯は静まり返っている中、自分の控室の前に佇む影を見つけ、キョーコは頭を下げた

「おはようございます。社さん」
「おはよう、キョーコちゃん。ごめんね、早くに呼び出して」

いえいえ、とキョーコは微笑みながら、控室に社を促した。

「相手、蓮だよね?」

部屋に入るなりの社の問い掛けと同時に、ドアノブがガチャリと音を立てた

「…そうですよ」

キョーコは社に背をむけたまま、答える。

(ああ、まただ)

考えてみればキョーコは蓮が記憶を失ってから大事な話をする時、キョーコはいつも背中を向けたり俯いたりして、社から顔を隠していた。
礼儀正しいキョーコらしからぬその仕草を、恋人が記憶を失った悲しみをこらえるためとか、溢れ出そうな感情を隠すためだと思っていたけれど…

(違う)

隠しているのは別の何かだ。

「いったい、いつ…」

蓮の誕生日の後から3日。2人の交際期間はガチガチに仕事のスケジュールが詰まっていたはずだ。

1日目は移動の途中に合流して夕飯を一緒にとっただけ
2日目は遠方のロケで一日会えず。
3日目はキョーコがお弁当を作ってきたお弁当をお昼に食べた。

ただ、それしか会う時間はなかったはずだ。傍にいた社が誰よりも知っている。
でも関係はあった。

(…ちょっと、待てよ)

1日目と2日目の夜はロケ地との移動に使った。
でも、3日目の夜は確か…


「あの晩も雨でしたね」

静かな部屋にキョーコの声が零れた。


(5に続きます)
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コメント

Re: あぁっ!

>小夜子さん

変なところでぶった切ってすいません!
いい子で待っててください(笑)

2014/09/09 (Tue) 12:23 | ちょび | 編集 | 返信

あぁっ!

どっ動悸がっ!←もうこの言葉しか出てこないですw

今回も「こっここで続くのかっ!はぅっ!」という感じの終わり方((>д<))

今回もいい子で待ってますっ

2014/09/09 (Tue) 11:53 | ☆小夜子★ | 編集 | 返信

Re: すみません

>ピコ様
おはようございます。
昨夜のコメントまだ承認していなかったので、これで公開されないと思います(まだ使い方を分かってない愚か者ですいません)

前回の雨とちゃんとリンクいただいて嬉しいです!
ネットのデザインは気に入っているのですが、アメプロからの文字のサイズと改行方法がどうしてもマヌケに見えてチビチビ直して行ってます。またのお越しをお待ちしていますね!
ピコさんのお話の続きもお待ちしていますよ~

2014/09/09 (Tue) 08:12 | ちょび | 編集 | 返信

管理人のみ閲覧できます

このコメントは管理人のみ閲覧できます

2014/09/09 (Tue) 08:02 | | 編集 | 返信

承認待ちコメント

このコメントは管理者の承認待ちです

2014/09/09 (Tue) 01:12 | | 編集 | 返信

Re: っっっっ!

へなへなっち様

叫んでいただいて有難うございます(笑)
待っててくださーい

2014/09/08 (Mon) 23:57 | ちょび | 編集 | 返信

Re: お待ちしておりました(-.-)

ゆうぼうず様

待っていただいて有難うございます!

敦賀さんはすっかりキョーコの坩堝です。恋愛スキルも記憶と一緒に無くしちゃってる模様ですし…

2014/09/08 (Mon) 23:56 | ちょび | 編集 | 返信

Re: 。・゚・(ノД`)・゚・。

ponkichibay様

コメント有難うございます。
先週1週間お休みいただいた分今週は頑張ろうかと…(そして息切れするパターン)

敦賀氏は記憶と一緒に恋愛スキルも失ったようです(笑)

2014/09/08 (Mon) 23:42 | ちょび | 編集 | 返信

っっっっ!

っ、続きっ!続きを下さいっ!うぁ~!

2014/09/08 (Mon) 21:53 | へなへなっちです | 編集 | 返信

お待ちしておりました(-.-)

三つ指ついてお待ちしておりましたぁ
m(_ _)m

キョーコの心の中覗きたい。どんな顔でなにを考えてるのぉ?
切なくて、でもそこはかとなく艶やかさを感じる、大人きょこたんに萌える!
蓮は焦燥感でも、なんでも溺れてしまえばいいよ。きょこたん思い出せない酷い人だからね!

はぁ、きょこたんのこれからの挙動が気になります!
早く続き読みたいぃぃぃ!

2014/09/08 (Mon) 19:07 | ゆうぼうず | 編集 | 返信

。・゚・(ノД`)・゚・。

更新ありがとうございます

お引越しおめでとう(?)ございます
こちらもサイト名通り素敵な仕上がりですね
そんなお忙しい中火曜でもないのに更新なんて感激です

それなのに うっうっ蓮様のバカー。・゚・(ノД`)・゚・。
キョコさんかわいそうです
蓮様その苛立ちの理由を考えてくださいね
いろいろ思うことはありますが
大人しく次回更新をお待ちしています。




2014/09/08 (Mon) 13:47 | ponkichibay | 編集 | 返信

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