2014_03
10
(Mon)00:17

1歩いっぽ(6)

私の中での一区切りがもうすぐです。

2014/2初稿、2014/10/1一部修正
■1歩いっぽ(6) ~それは深く浸みこんでいく~


「あんた何で手じっとみてるわけ?」

奏江の声でキョーコがここがラブミー部部室であることに気がついた

「じっと手を見る…啄木でしたっけ?」
「働けど働けど…ってやつ?やめてよね貧乏臭い」

先にきていたのだろう。千織と奏江はおしゃべりをしながら、手際よく書類をたたんで封筒に入れていく。
テレビからの深夜番組の再放送だろう。お笑い芸人たちのトークが盛り上がりかなりにぎやかだ。

キョーコはノロノロと学生服からつなぎに着替えると作業に合流した。

「で、何があったの?」

奏江の質問にキョーコはもう一度自分の右手をみた

「いや、未知との遭遇っていうか…接触っていうか…」
「はあっ?」
「世の男性の気持ちがわかったっていうか」
「ますますわかりません。なんですか?」


未知との遭遇などというと大げさだが、キョーコは本日初体験をした。

初体験
といっても、自分以外の女性のバストを触るというもの。

だが、ただのバストではない。
現役バリバリ、グラビアアイドルのバストである。

事の真相は今日学校の休み時間、キョーコが自分の席に座っているところに転んだ七倉美森が倒れこんできた。
当然キョーコは受け止めた。
受け止めた右手が偶然美森のバストにジャストタッチしたのである。

男女同士で起こったことならここで一つのドラマでも生まれたかもしれないが、女子高生同士。
いつもはキョーコには噛みついてくる美森も、素直に礼をのべて立ち上がり席に戻った。

ただそれだけのこと。


「すっごい。柔らかかったの!ポニョンというか、フニョンというか…胸だけじゃなく身体全体が柔らかくて!」

人のおっぱいについて熱弁する女子高校生最上キョーコ
元が凝り性なので、自分の体験をいかに正確に伝えるか必死になっている。

「あんたにだってあるじゃない胸くらい」

あきれ顔の奏江に言われるが、常日頃から胸のボリュームにコンプレックスがあるキョーコは全力で否定する。

「全然違うのよ。モー子さん!モー子さん達はちゃんと膨らんでいるからわからないかもしれないけど、私のとは全然違うのよ!」


『やっぱり俺は胸が大きい方がいい!』

なんというタイミングの良さ。テレビでもバストサイズへのこだわりを芸人たちが熱く語っている。

「ほらねっ!やっぱり世の男性陣は大きい方がいいのよ」

“世の男性陣”に先輩俳優の秀麗な顔がちらりと混じり、キョーコは表情を少し歪ませた
その顔をみた奏江が口を開きかけたとき、ノックの音が響く

キョーコは時計を見て慌てて立ち上がった。

「はいっ、どうぞ」

入ってきたのは事務所の看板俳優とそのマネージャー

「おはよう。最上さん。これ言ってたお土産」
「わざわざありがとうございます。アルマンディのショップのオープニングどうでした?」
「盛況だったよ。北海道らしいアレンジ満載で面白かった」

いかにも事前に連絡を取っていました。といわんばかりの会話に奏江は眉をひそめた。

キョーコからは何も聞いていないが、最近この2人は何か怪しい。
ちらりと見ると、キョーコはイソイソとコーヒーを入れている

(あの珈琲、今日買ってきたやつよね?敦賀さんが来るから?)

今度絶対聞き出してやると、奏江は誓った。


皆が席についてもテレビの話題はまだバストサイズについて語っている、キョーコは慌てて電源を落とした。
それを見ていた千織が何か閃いたらしい、おもしろそうに身を乗り出して聞いた。

「敦賀さんやマネージャーさんはやっぱり女の子の胸は大きい方がいいんですか?」

ぴきん!

キョーコの周辺が静止画像となる。

「ええっ…そうだなあ。俺は特にこだわりないよ」

社が焦りながら答えた。

(テレビの話題からか?ちょっと蓮とキョーコちゃんの状況から行くと答えづらい質問だよな。)

焦る一方、興味もあって隣の担当俳優をちらりと見た。


担当俳優は「うーん」と頬杖をついた

「大きさ云々とかじゃないけど、これだけは譲れないっていうこだわりはあるよ」

敦賀さんのこだわり?
静止画像のまま、キョーコは耳をそばだてた。

「こだわり?」

抱かれたい男№1の女性のバストへのこだわり
インタビューでは絶対聞けないお題目に、社も奏江も千織も心持ち身を乗り出した。

「うん、それだけは絶対譲れないな」
「なんですか?それ?」


№1俳優はにっこり笑う


「最上キョーコの胸であること」


言葉の意味が脳まで届くのに時間がかかった。
ギギギッとキョーコが社たちの方を向くと

一瞬の間ののちに、3人の視線は一斉にキョーコの胸に注がれた。


(7につづく)




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コメント

Re: 蓮さま万歳!!

>愛海様
そうなんです。敦賀さんならこう言いそうでしょ?(笑)
なんといいますか…敦賀さんってこういうことをシレっとした顔で言いそうだよなあって思うんですよ。そういう厚かましさ?とキョーコちゃんへの一途な愛が彼の魅力だと思っています(笑)

2015/07/21 (Tue) 00:11 | ちょび | 編集 | 返信

蓮さま万歳!!

蓮さまの最後の発言、いいですね~!
そうですよね、キョーコちゃんの胸以外、興味ありませんよね♪
何度読んでも「よし!」ってなっちゃいます~!
キョーコちゃん、女冥利につきますね♪

2015/07/20 (Mon) 07:54 | 愛海 | 編集 | 返信

5. 正直すぎる蓮さん。

でも、誤解されるよりマシ?

でも、やっぱり・・・・「そうですか!嬉しい!!」とはならないような。(爆)

リアクションが楽しみです。

2014/02/28 (Fri) 21:38 | sei | 編集 | 返信

4. Re:素的発言♪

>一葉梨紗さん 形でも大きさでもなく大事なのは所有者ですからね(笑)

2014/02/28 (Fri) 17:05 | ちょび | 編集 | 返信

3. Re:ブブッ

>mokaさん キョーコちゃんは最初の一歩も踏み出してない感じなのに敦賀さん飛びまくっています。仕方ありませんね。セクハラ紳士ですから(笑)

2014/02/28 (Fri) 17:04 | ちょび | 編集 | 返信

2. 素的発言♪

素直すぎる(笑)
そりゃ拘るところだわ。

キョコのお胸。
一番大事なところですよそれ。

2014/02/28 (Fri) 07:52 | 一葉梨紗 | 編集 | 返信

1. ブブッ

すみません。
カレーの顛末も素敵だったんですが、、モー子さん達に混じって、身を乗り出したら、、

おいっ蓮さん!

譲れないって。
この一歩は三段跳びの最後跳躍みたいですが。

リアクションどうなるんでしょうー

2014/02/28 (Fri) 01:14 | moka | 編集 | 返信

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