2015_05
07
(Thu)11:55

愛と青春の化学反応(リクエスト)(前編)

さて、私が2番目に書いたパラレルもの。
「ほんのわずか」のほうが先に書いたのですが、こちらはまだ番外編が終わっていませんのでこちらを先に通常公開です。
ショータロー目線ですので、苦手は方はお読みにならないでくださいね。





アメプロの方で111番目のアメンバー様となられた小夜子様からのリクエスト
「学園パロ」ともう一つあるのですが、それは終わってから

学園パロディってこんな感じでしょうか?
苦手は方は読まないでくださいね。

怪しい京都弁が出て参ります。笑って流してやってください。

2014/10/17初稿、2015/5/7一部修正の上通常公開





■愛の青春の化学反応(リクエスト)(前編)



不破松太郎は食卓を不機嫌に眺めた

用意されているのは3人分の朝食
父と母はほぼ食べ終わり、残りは自分の分だけだ。

「…キョーコは?」

昨夜、いやもう今日にはなっていたが、ショータローが帰宅した時この家にはキョーコの気配があったのだ。
その証拠に食卓にあるのはキョーコが焼いた甘くない卵焼きだ。匂いでわかる。

「キョーコちゃんならクラブの用事でさっき出たわ」

これまたショータロー好みの柔らかめのご飯をお櫃から茶碗によそいながら、母が答える

日本有数の高級旅館松乃園、その板長と女将である両親が忙しい朝に揃っているのは、久しぶりに泊まりに来たキョーコと食卓を囲みたかったに相違ない。
可愛がっていたキョーコがだるまやに下宿して1年。内心寂しいのだろう。

「もう少しはよぉ起きたらキョーコちゃんと登校出来たのに。夜遅くまで遊んでるからやで」
「昨日の夕方俺が一度帰ったときはアイツいなかったぞ。女子高生が遅くまで外ほっつき歩いて…受験生なのにたるんでるんじゃねえか?」
「たるむぅ?毎日毎日遊んでいるアンタが言うか?学年トップのキョーコちゃんにぃ?」

ちゃんちゃらおかしいわっ、鼻で笑いながら女将は板長にお茶をいれた

「昨夜もキョーコちゃんは敦賀さんの所で勉強してから帰ってきたんや」
「なんだよ、それ?あぶねーじゃねえか」
「ちゃんと敦賀さんは送ってきてくれはったから大丈夫や」
「余計危ねえよ」

(送り狼そのものじゃねえか)

「ちゃんとうちにも挨拶してくれはってなぁ。恐縮したら、キョーコちゃんにとっては育ての親も同然やから、当たり前のことやって」
「わしも一度会うときたかったな」
「敦賀さんもそう言うてはったよ。敦賀さん、ここの料理が評判なん知ってはったから、“板長は料理だけやのうて、男っぷりもええんや”って惚気てしもうたわ」
「人様にろくでもねえ話してんじゃねえよ…」
「五月蠅いなぁ。敦賀さんやって“ご夫婦がいつまでも愛し尊敬し合ってるって素敵ですね。僕らもそうなりたいです”って言ってくれたで」
「…爆弾発言聞き逃してんじゃねえぞ」

(高校生相手に結婚する気満々かよ。なんて気の早い男だ。ロリコンじゃねえか?)

不機嫌度がさらに増したショータローは、朝ご飯を掻き込み席を立った。

「だるまやのおかみさんがインフルエンザやさかい、キョーコちゃん2、3日うちにいるからなー」

ショータローの背中に女将の声がかかる
キョーコお手製の弁当を鞄に押し込みながら頷いた。

*
*

「おはよー。ショーちゃーん。昨日のライブ最高だったよぉ」
「おはよー。ショー」
「ショー、新曲イケてたね!」

高校が近くなり次々にいつもの女子生徒達に囲まれだすと、ショータローの機嫌も回復してきた。
自転車を押しながらクールに返事をしていると、前を歩く1年生と思われる女子生徒がウキウキと話をしている

「今日の化学、実験教室の日だよね。楽しみ~」
「実験が?敦賀先生が?」
「どっちも!でもやっぱり敦賀先生!」

聞きたくない名前をしかもハートマーク満載の声で聞かされて、般若顔になるのをハンドルを強く握ってこらえた・


敦賀蓮が某有名国立大学から教育実習にきたのは去年のことだ。
アメリカ国籍を持つ超天才で、ステップしまくった上で11歳であっちの超一流大学を卒業したエリート化学者。まだ若いため研究所を一時休んで社会勉強のために日本の大学に来ているのだとか…そんな胡散臭い経歴の男は、教育実習と同時に1、2年生向けの実験教室を担当したのだ。
それを手伝う理科部に所属するキョーコと気がつけば付き合っていて…
あの時の腹の煮えくるような怒りを思いだし、ショータローはさらにハンドルを強く握る。

自分が振ったとはいえ、ずっと自分を好きでいて傍にいるものと思っていた幼馴染は、あっさりと新しい男、しかもショータローの一番嫌いなタイプの男と付き合いだした。

(あんな面と経歴だけご立派で、遊び慣れた鬼畜野郎と付き合っていいことなんて1つもねーのによ)

この付き合いは絶対に間違っている。断固反対すべきだ。
そう思うのに、周囲はショータローの両親も、だるまや夫妻も、学校の教師たちもすっかり騙されているのだ。

(お袋もセンコーも、ちょっと面がよくて学歴高いとすぐ騙されやがってよ)

アンタは面がちょっといいだけで学歴もなーんもないけどな。と女将がいたら突っ込んでくれただろう。

すぐキョーコが捨てられて泣くだけだと思っていた関係は1年たった今も順調に続いている。
鬼畜野郎は独占欲だけは一人前らしく、受験勉強をみると言ってはキョーコを部屋に誘い、高校側から継続をお願いされたと言っては週に一度実験教室と理科部の顧問役を務める為に学校にやってくる。

全くもって、目障りだ。

今朝だって、理科部に実験教室の手伝いをさせるからその準備にとキョーコを朝早くに呼び出したに違いない。
朝っぱらから厭らしい男だ。

(ま、でも、副部長のキョーコが行くってことは、部長の石橋も行ってるだろうから、敦賀のヤローの目論見は外れてるだろうけどな。ざまーみろ)

「ショーちゃん、どうしたの?変な笑い浮かべて」
「浮かべてねー」

美森に新しい髪飾りをアピールされて、適当に褒めて前を向いたショータローは、ここにいないはずの人物を見つけた。

「いっ石橋!なんで今学校来てんだよ?」
「あ、おはよう。不破君。」
「おはよう…じゃねえよ!理科部は実験教室の準備があるんじゃねーのか?」
「そうなんだけどね…」

石橋光は頭をポリポリとかいた

「スマホのアラームセットして寝たんだけどさあ。どういう訳か鳴らなくて、起きたらもうギリギリの時間で焦ったよ」

キョーコちゃん1人でやらせて悪いことしたなーと呑気にいう男にイライラする。

「…お前、絶対スマホハッキングされてるぞ」
「は?」

絶対そうだ。敦賀によって石橋光のスマホは遠隔操作されている。
なんて恐ろしい悪魔のような男なんだ。

風紀委員会が朝の声掛け運動なんてダルイことをやっている校門を抜け、美森たちと一時別れて自転車置き場に向かったところで悪魔の声が聞こえた。

「…キョーコ、卵焼きの匂いがする」
「え?ほんとですか?今朝張り切って沢山作っちゃったから…。」
「板長と女将さんの為に?」
「それもあるんですけど…お弁当作ってきたんです」
「俺に?ほんと?嬉しいけど朝早かったのに…ごめん」
「松乃園特製の出汁使った卵焼き、敦賀さんに食べてもらいたかったんです」

キョーコの照れながらつぶやく声に続いた甘ったるい悪毒声はシャットダウンした。
朝からなんてふしだらな野郎だ!

(てか、なんで俺の為、が抜けてるんだよ!!!)

俺の眼が黒いうちは絶対2人の交際は認めない!

ぜーったいだっ!!!


ショータローは心に誓った。


(つづく)




着地できるのか?私?
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コメント

Re: ショーちゃんが可愛い(笑)

>hana○○○○様
ニヤニヤ有難うございます!
こちらの世界のお松さんはある意味可愛い奴です。
そして敦賀さんはかなり性格悪げな感じです(笑)
それなりに幸せ?な結末になっている…と思うのですが明日の後編お楽しみに!

2014/10/23 (Thu) 23:24 | ちょび | 編集 | 返信

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2014/10/23 (Thu) 22:28 | | 編集 | 返信

Re: 是非、着陸難で…‥

>みかん様
舞い上がる褒め言葉有難うございます!
尚目線新鮮ですか?女将との掛け合いは書いてて楽しいんですよ。

しかし、残念ながら?次回は後編です(笑)

2014/10/19 (Sun) 01:52 | ちょび | 編集 | 返信

Re: ありがとうございます!

> 小夜子様
嬉しいって言ってくださって私が嬉しいです(笑)

化学全く知らないくせに、蓮が化学者だなんて設定いれたもんだから…妙な苦しみ方をしましてね(-_-;)
女将とお松さんとのやりとりは書いてて楽しいです!

後半頑張ります

2014/10/19 (Sun) 01:49 | ちょび | 編集 | 返信

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2014/10/17 (Fri) 16:41 | | 編集 | 返信

ありがとうございます!

楽しいですっヽ(≧▽≦)ノ
楽しいですっヽ(≧▽≦)ノ
嬉しいですっ!
とっても楽しいですぅぅぅぅっヽ(≧▽≦)ノ

もう今日が待ちきれなくてワクワクしてましたー♪
本当にありがとうございます!
後編も楽しみにしております♪

2014/10/17 (Fri) 14:07 | ☆小夜子★ | 編集 | 返信

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