2015_04
27
(Mon)11:56

それは儚いものだけど(後編)

みなさま、こんにちは。ちょびでございます。
あれ?これ前からあるお話じゃない?と思った方、正解です。
実は六華のすながれけんじ様より、このお話が絡む素敵な素敵なお話を頂戴したのです。
さてどんな形でお披露目をと散々考えて…やっぱりセットで読んで欲しいな。と思いまして豪華特典といたしました。(どうしようか考えすぎて1カ月以上たってシーズン終わっちゃいました。けんじさん、ごめんなさい!!!)
けんじさんのお話は、後編のラストにつけたのですが、一応前編も修正して同時に公開しています。

ちなみに…けんじさんの御宅の落書きカテゴリーの「久々に落書き」をご覧になってからの方がより楽しめます♪

2014/3/27初稿、2014/10/17一部修正、2015/4/27豪華特典頂戴しました!




■それは儚いものだけど(後編)



そして月日は流れて…

蓮は東北でのロケを終え、家路に向かっていた。
手にはいつもの“消え物のお土産”

「ただいま」
「おかえりなさい」

パタパタと玄関にやってくるエプロン姿のキョーコに蓮の顔は緩む。

「引越し、終わった?」

そう
蓮はついに最上キョーコの人生に法的にも寄り添うことに成功した。
ロケに出かける直前に本国への手続きを終え、来週の記者発表に備え騒ぎになる前にだるまやからキョーコが越してきたのだ。

「荷物ちょっとですからね。すぐ終わっちゃいましたよ」
「俺も手伝いたかったな。だるまやのご夫妻にも挨拶したかったし」
「敦賀さんが手伝ったら目立っちゃって記者発表前にばれちゃいますよ。大将と女将さん、私がいないときは晩御飯食べに来るように言ってましたよ」

重なる消え物作戦により、蓮はキョーコ不在でもだるまやに招かれるようになっていた。

“結婚する気なら、彼女の実家と親友は絶対におろそかにするな。”

担当マネージャーからのありがたい助言である。
ちなみに、助言をくれた主にまだ春は訪れていないのだが…。

「落ち着いたら大将達をうちに招待しなくちゃね」

こんなことを言うあたり、学習型恋愛ロボのスキルはかなり向上している。


「どうでした?青森初めてでしたよね。」
「まだすごく寒かったよ。でもなんか言葉とか温かみがあって俺は好きだな。」

はい、これ。お土産と、手にしていた紙袋を差し出した。

「いつもありがとうございます」

キョーコが紙袋の中を確認すると缶詰

「…いちご煮?」

ラベルを見るに果物の苺ではないらしい

「八戸の方の名物らしいよ。炊き込みご飯に使うと美味しいってお店の人が言ってた」
「じゃあ今晩和食なんで、せっかくだから使いますね」
「それは楽しみだ。あ、荷解きはまだ終わってないだろ?着替えたら手伝うよ」
「もうだいぶ終わってますから大丈夫ですよ?」
「俺がやりたいの。手伝わせて」
「じゃあ、私は夕飯の支度しますから、本棚の荷物お願いできますか?」

クスクスと笑いながら、キョーコはキッチンに消えた。

蓮はラフな格好に着替えると腕まくりをしながら、かつてはセカンドゲストルームだった小ぶりな部屋に向かう。
キョーコの書斎にするべく改装したその部屋はベットを無くしたかわりに、作り付けの大きな本棚を作った。
『勿体ない』とキョーコは言ったけれど、いずれは役作りのための資料や台本でうまっていくだろうそれにキョーコが持ち込んだ本や雑誌を立てていく。

案の定、キョーコが持ってきた荷物では一段も埋まらなかった。
段ボールに残るのは数冊のリング式ノートのみ少し高級感のある上品な表紙のそれは、スクラップブックにでもしているのか随分膨らんでいる。

(…何が貼ってあるんだろう?)

プライバシーの侵害だとは思いつつ、好奇心に負けてそっと表紙をめくると、既視感を覚えるラベル

『瀬戸内名産 いかなごくぎ煮』

(…これって)

忘れるはずがない。歴代の消え物第1号である。

その下にはキョーコの字。

 いつもらったか。
 蓮がその時何と言っていたのか。
 キョーコが思ったこと。
 一緒に食べただるまや夫妻の感想
 蓮の家にお泊りして朝ご飯を作ったこと。
 ごはん、大根をメインにした具沢山のお味噌汁、卵焼き、そしていかなご
 初めて口にした時の蓮の表情、美味しいといったこと

ページをめくる

 高知のフルーツトマト
     長野の野沢菜漬
  パリのチョコレート
       ブルガリアのバラのバスオイル
   京都の抹茶
        ミラノのマニュキア

それぞれに感想やその時の様子が書き込まれている。
土産を使って料理した時は何を作ったのか絵が描いてあったり、マニュキアはノートにちゃんと塗ってあった。

「…っ」

誰が見ているわけでもないのに、蓮は顔を伏せた。
顔の緩みが収まらない。

食べたら、使ったら、無くなってしまう物たち。
でも、それは見えないながらも2人の時間に積み重なっていって…
今日という日に結びついている。
見えなくなったようでいて、二人の時間を色付けていっている。

そして、それを大切にしてくれているキョーコの想いを形にしたノート


「もうすぐご飯できますよ~」

ドアを開けてキョーコが顔をのぞかせた。

「あ、うん。」

まだ照れながらも、キョーコのモノを勝手に見たのだ。
少しバツが悪い蓮は謝った。

「ごめん。これ」

見ちゃったんだ。とノートを差し出す蓮にキョーコはあっさり言った。

「あ、これですか?お土産の記録っていうか日記っていうか…結構増えましたね~」
「記録?」
「そうです。せっかく戴いたのに忘れると勿体ないじゃないですか」

そういうと、ノートを少しだけパラパラめくると本棚に立てて、「炊き込みご飯いい匂いしてますよ。手洗ってきてくださいね」とキッチンに向かう。

(かなわないよな。)

その背中を追いながら蓮は思う

蓮にとって、あれは記録というより、ラブレターだ。
面と向かって「愛してる」なんて滅多に言えないくせに、蓮からのあんな些細なモノさえも大切なのだと熱烈なラブレターをもらった気分だ。
そして、そんな愛情を蓮にくれることはなんでもないことのように言ってのける。

愛しているという言葉じゃないアイシテル
キョーコはこれからも日常のあちらこちらにそれを散りばめてくれるのだろう。


蓮はそれを拾い集めていくこれからの毎日への幸福感に…そっと微笑んだ。




(FIN)






いかなごのシーズン。
この言葉だけでこんな妄想する私はちょっとヤバいんじゃないでしょうか…


☆☆さて、これからが豪華特典☆☆

すてきけんじさんワールドですよー♪




キッチンテーブルに置かれた、煮るにも焼くにも小さすぎる魚が詰め込まれたビニール袋を手にして蓮は首を傾げた。
「これはどんな料理になるの?」
「いかなごのくぎ煮です」
「 え 」
くぎ煮と言えば忘れもしない消え物第一号。
キョーコからの初お泊まりを成功させ大将達を懐柔させる切っ掛けになったある意味神と言っていい存在。
「今日仕事で魚市場に行ったら作り方を教わったので買ってきました」
「へぇ…これがいかなご…」
まさか自宅のキッチンで神を降臨させる日が来ようとは思わなかった蓮がしげしげと袋を見て、ふと一点に視線を止める。
「最上さん、これ先ずどうするの?」
「洗います。それから…」
「俺洗っていい?」
「え?どうぞ?」
そわそわする蓮の目が期待に満ちている。いや~な予感がしながらも流しに出したボウルに、蓮はいかなごを入れた。
鍋に調味料を入れながら横目で見れば、
真剣な表情で洗うと言うより何か探している手つき。
ますますいや~な予感が増した時、蓮が満面の笑顔になり部屋の中が二トーン明るくなった。
「やっぱり…!見て最上さん!」
差し出された手には明らかに種類の違う二センチ程の青魚。
「違う魚が入っているのがちらりと見えたんだよ。他に何かいるかな?」
あ~…
そう言えば。魚市場のおじさんが他のが混じっているからねって言ってた。
初めて作る料理の行程ばかり気にしてその事をすっかり忘れていたと、呆然とするキョーコの目の前で蓮はいそいそと中を探る。
「またいた!ほら!」
丁寧にまな板へ小魚を並べる蓮。
このパターンには覚えがある。
そう、ちりめんじゃこ。
うっかり"ちりモン"の存在を教えてしまったが為に長い間買う買わない、探す探さないの攻防の日々を送る羽目になったのだ。
まさか、また
ふらりと視線をさ迷わせれば、顔もスタイルも抜群の人気俳優に相応しい高級でスタイリッシュな部屋。
「イカがいた!凄い、五センチ近くあるよ!きっとボスだ!」
嬉々とする蓮とは反対に、青ざめたキョーコは砂糖と醤油たっぷりのくぎ煮を煮る臭いが、この広いハイソな部屋の隅々に染み込む程作る事になるかもしれないと身震いした。

イカモン





可愛いですよね?ね?ね?ね?。
けんじさんのチリモン漫画が大好きでして、イカナゴにもチリモン?!と上記の画像をお見せしたところ、このお話を頂戴する幸せに恵まれたのです。

敦賀さんの本質である久遠さんの男の子気質(グアムで海に入水?して魚と戯れたり、代マネの時キョーコちゃんとの自転車2人乗りを楽しんだり)がすごく滲み出てると思うのですよー。
けんじさん、本当に本当にありがとうございました!!!
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コメント

8. そうだったんですか

安心しました。有難うございます。

限られた貴重なお時間、蓮キョを愛する私たちに素敵なお話を書いて下さり感謝でございます。

これからも楽しみにしております(^^)

2014/03/28 (Fri) 22:02 | つき | 編集 | 返信

7. Re:ほんわか

>つきさん
サイドのコメありがとうございます!
PCでの管理云々は新しく書き加えたんですよ~
最近監視の目が厳しくて、見れる時間が限られているので(^_^;)

2014/03/27 (Thu) 23:41 | ちょび | 編集 | 返信

6. Re:ぴったり秀逸な表現ですよね

>じょうようさん
絶妙のポイントの褒め言葉有難うございます。ちょっと舞い上がってしまうじゃないですかっ。
私もじょうようさんのブログの整理が終わるの楽しみにしてますからね~:*:・( ̄∀ ̄)・:*:

2014/03/27 (Thu) 23:39 | ちょび | 編集 | 返信

5. ほんわか

大丈夫ですよ、わざわざ有難うございます。

では、再度コメントを。

キョコさんは蓮さんを幸せな気持ちにさせてくれる天才さんですね(^^)

心が温かくなる素敵なお話を有難うございます。


今日更新されていましたアメンバー申請についての記事。
ふと、目を通して凍りつきました。
PCで管理されてるって書いてありますね…
大変申し訳ございませんでしたぁ!!
ちゃんと読んだつもりが頭から抜けていた模様です(土下座)

以上でございます。

2014/03/27 (Thu) 20:50 | つき | 編集 | 返信

4. ぴったり秀逸な表現ですよね

前編でも出てきたと思いますが、学習型恋愛ロボ――この言葉大好きです。出てくる度に笑います。

それはさておき、当たり前のことのように敦賀君のお土産記録をとっているキョーコちゃん! 彼女ならやりかねないと思いつつ、これまでになかった発想だよなー、とただただ感心しました。

また、庶民感覚ゼロ&恋愛初心者の敦賀君の成長ぶりが涙を誘います。だるまや夫婦を気にかける様は『よくぞここまで立派になって・・・!!』とハンカチでそっと目頭を押さえるレベルですよ。

今回も楽しいお話をありがとうございました!

2014/03/27 (Thu) 20:33 | じょうよう | 編集 | 返信

3. つきさん!

広告コメ?消してたら間違ってつきさんのコメ消しちゃいました( p_q)
まだ読んでなかったのにっ(。>0<。)
ごめんなさいっ
そして、広告コメントが憎い…

2014/03/27 (Thu) 15:27 | ちょび | 編集 | 返信

2. Re:いちご煮!

>seiさん
seiさん、なんでもご存知ですね~。私いただいたことがあるのですが、それまで知りませんでした。
キョーコちゃん、無意識で倍返しして、また敦賀氏を夢中にさせるんですよ。きっと( ̄▽+ ̄*)

2014/03/27 (Thu) 15:25 | ちょび | 編集 | 返信

1. いちご煮!

地元の人は大好物だけど、高いので普段から食べてるわけじゃないですよね。

昔、日本全国の名物を紹介する番組で、地元を離れた方を集め、その缶詰をふるまっていました。みな大興奮、大喜びされてました。

地元じゃなくても、喜ばれそうでね。(*^▽^*)

蓮さんの気持ち。キョコさんから倍返しで返してもらえ、よかったです!!

学習型恋愛ロボは、キョコさんの手の中でどんどんスキリアップしていきそうですね.

可愛いお話をありがとうございました。

2014/03/27 (Thu) 11:03 | sei | 編集 | 返信

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