2014_05
12
(Mon)02:00

貴方じゃなくても(1)

10日で3カ月となりました。
記念として?初のオリキャラ目線にチャレンジ♪

※3話で収まらず・・・こっそり前編から1に変更です(汗)


2014/5/12初稿、2014/11/26一部修正




「清里あさひの『突撃!本音の奥様』でした~。」

番組レギュラーとなって最初の担当コーナー。
スタジオの反応は上々。
司会の2人に目をやると、その一人である京子が一瞬だがこちらを向いて小さく頷いてくれた。

(よしっ!)

あさひは心の中でガッツポーズをした。



貴方じゃなくても(1)




「なかなか良かったんじゃないか?」

収録が終わるとプロデューサーが声をかけてくれた

「ありがとうございます!」

マネージャーと共に丁寧にお辞儀をする

「LMEの子はお辞儀が綺麗だね。京子ちゃんを筆頭にさ」

プロデューサーは少し離れたところにいるキョーコをみて目を細めると、片手を挙げて「お疲れさん」とあさひから離れていった。

「プロデューサー、京子さんが可愛くて仕方ないって感じだね」

控室に向かう廊下であさひはマネージャーに向かって小声で話しかけた。

「そりゃまあねえ。京子ちゃんは礼儀正しいし、機転もきくし、頭もいいし、番組が高視聴率なのもキョーコちゃんのキャラクターが一役買ってるって評判だもの」
「今のドラマもすっごい存在感あるよね。成人式の着物姿も素敵だったしなあ」

私もあんな風に振袖姿テレビで映して欲しいな、とあさひは呟いた。


清里あさひ
LMEタレント部所属、キョーコより2歳下の18歳
16でタレントデビュー、今年に入って朝の情報番組の月曜レギュラーで少し名前が売れてきた。
今回のゴールデンタイムのバラエティのレギュラーを獲れたことは大きなチャンスなのだ。

「あさひはかわいいし、物おじしないし、勉強家だし、大丈夫よ」

マネージャーの励ましに小さく頷いたあさひだったが、

「だからこそ、交友関係には気をつけた方がいいといいと思うのよ」

更に声を小さくしての助言には頬を膨らまし、答えなかった。

(北見さんはわかってないんだから)

小さな怒りにまかせて足を速めてまもなく控室、というところで声をかけられた。

「清里さん。お疲れ様です。」
「京子さん!お疲れ様でした!」
「今日の新コーナーすごくよかったですよ」
「ありがとうございます!あ、あさひって呼んでください。それに敬語もやめてくださいよぉ。京子さん、あさひの先輩なんだから」
「じゃあ…あさひちゃん」

でへへっと照れながら、名前呼びをするキョーコの姿にあさひは同性ながら見蕩れた。

(京子さん、猛烈に可愛い!)

前々からファンだったが、今回の共演でさらに好きになりそうな予感がする。

「あさひちゃんはこの後予定あるの?マツコさんが女子会しようって誘ってくれたんだけど…」
「行きます!!!」

番組レギュラーの一人であるマツコはベテラン女芸人で人脈も広い。
新参者のあさひとしては是非とも親しくお付き合いしたい相手なのだ。

指定された店に遅れないよう慌てて着替えながら、あさひのテンションは高い。

「ペーペーのあさひをちゃんと誘ってくれるなんて、京子さん優しい!同じ事務所だから気を使ってくれてるのかな?」
「うーん、もしかしたら噂は本当なのかしら?」
「北見さん、噂って何?」
「京子ちゃん、女優業一本に絞るって噂。ほら、ドラマや映画以外の新しい番組最近出てないでしょ?オファーは沢山あるのに不思議だって話でね。何でも海外からの出演依頼もあるんですって」
「えーっ、やっと共演できたのに」

女優としての京子も大好きだが、せっかく共演の機会を取り上げられるのは悲しい。

「あさひにとってはチャンスなのよ」
「?」
「京子ちゃんが女優一本に絞るってことは、バラエティの枠が空くってことなのよ?」

そうなると年も近く同じ事務所のあさひが空いた席に座ってもおかしくはないのだ。

「もしかしたら事務所もその方針なのかも。京子ちゃんもそのつもりで、あさひの事を気にかけてくれてるのかもしれないわ」

胸が高鳴った。
あさひの夢は、司会もこなせるタレントになることだ。

「この番組から京子ちゃんがいきなりいなくなることはないと思うから、その間にしっかり勉強するのよ」

マネージャーの言葉に力強く頷く。
大好きな京子のポジションを奪い取れと言われると良心が咎めるが、空けてくれるというなら遠慮は必要ない。
この番組の出演は本当にビックチャンスだ。
絶対にモノにしてみせる。

*
*
*

マツコ主催の女子会はカジュアルなイタリアンレストランで開かれた。
出しゃばらない程度に会話に参加するのを心掛けて、同時に参加者の情報を得ていく。

キョーコは輪の中心にいながらも、さりげなくみんなに気を遣い、あさひのことも話題にちゃんと入れるようフォローしてくれている。
皆の飲み物が途切れないよう。でも押し付けにならないよう、そして、ウェイターを呼ぶタイミングまで…

(なんだか洗練されてるよね。一流ホテルのコンシェルジェとかってこんな感じかな)

こんな人の後釜を狙うのだ。今まで以上に自分を磨かないといけない。

*
*

あさひ以外はみんな成人しているので、食事と共にワインを楽しんで、だいぶ盛り上がってきたようだ。話題は女子会らしいコイバナに移っている。
可愛い年下の彼氏ができたというマツコをはじめ、何人かが自分の恋を披露した後、皆の視線はあさひに集まった。

「あさひちゃ~ん。彼氏いるんでしょお~?」

上機嫌のマツコがグラスを掲げながら聞いてくる。

「そりゃいるわよね~こんなに可愛いもの」
「私もあさひちゃん位に若くて可愛かったらな~」

笑いながら、「で、どうなの?」と聞かれ「は、はい」と答えた

「やっぱりねえ」
「そりゃいるわよねえ」

と、皆の視線が次のターゲットのキョーコに移りかけたとき

「どんな人?同じくらいの年?」

と、マツコが聞いてきた。

(関心持ってもらえたんだ!)

初のゴールデンのレギュラー
その出演者との女子会
ただでさえ上がっていたあさひのテンションはさらに上昇する

マツコの背後でマネージャー同士テーブルを囲んでいた北見が首を横に振るのが見えたが、気にしない。

「おっ同い年です!しょうちゃん・・・赤平翔太っていうんですけど、幼馴染で…すっごく歌がうまくて、アーティスト目指しているんです。」

今、音楽の専門学校行きながらインディーズで歌ってて、カッコいいから結構ファンがいるんですよ。
この春高校でて私が一人暮らし始めたら、「寂しいだろう」って私の部屋に来てくれたんです。優しいでしょう?それから一緒に暮らしてます。
カッコいいくせに可愛い所もあって、自分じゃ何にも出来ないんですよ。私がいないとダメなんです。
しょうちゃんには早くメジャーデビューしてほしいから歌に専念してもらっているんです。


マネージャーの北見は事あるごとに「しょうちゃん」との交際を反対する。

しょうちゃんはあんなにカッコいいのに、絶対ビックになるのに
しょうちゃんのお嫁さんに相応しい一流タレントになるのがあさひの夢なのに。


皆に大好きな恋人の話を聞いてもらえることに舞い上がったあさひは気付けなかった。
可愛く勉強家のあさひの唯一といってもいい欠点の「男を見る目がなく周りが見えなくなること」が本人自ら暴露されたことに頭を抱えるマネージャーに
(完全、ヒモ男)と、マツコをはじめとして皆が残念な顔をしていることに。

しょうちゃん・幼馴染・歌手・何から何まで世話
過去の抹殺したい自分にそっくりな状況に、キョーコが硬直しそうな顔を精一杯の演技力で保っていることに。


(2に続きます)





最近、短編が1話で終わらないことが多いですね・・・。
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コメント

2. Re:初めてコメントを書かせて頂いています。

>genkiさん
初コメ有難うございます。
あさひちゃんはキョーコちゃん要素も、ありつつ軽さと甘さを足したつもりです。
前編で敦賀さんがちっとも出なくて焦りましたが、興味持っていただけてうれしいです!

2014/05/12 (Mon) 15:30 | ちょび | 編集 | 返信

1. 初めてコメントを書かせて頂いています。

こんにちは。初めまして、genkiと申します。moka様やpico様その他二次作家様のところに頻繁にお邪魔させて頂いております。

オリキャラのあさひちゃん、軽さも含めて可愛らしいですね。これが可愛いだけでダメ子ちゃんになるのか、キョーコちゃんからしっかり学ぶのか、興味津々です。お話の流れも明るくて楽しく拝読させていただきました。他のお話もこれから是非読ませていただきますね。

続きの更新を楽しみに致しております。どうもありがとうございました。

2014/05/12 (Mon) 11:34 | genki | 編集 | 返信

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