2014_04
14
(Mon)21:00

時にそれは驚くほどに(中編)(L/M/E春のカラオケ大会)

2014/4/14初稿、2014/12/31一部修正




■時にそれは驚くほどに(中編)(L/M/E春のカラオケ大会)



ヴッ、ヴッ、ヴゥ・・・
キョーコがカバンから取り出した携帯は青い光を点滅をしながら震えている。
液晶を見つめたままのキョーコにしびれを切らした奏江が催促した

「出なさいよ。敦賀さんでしょ?」

時刻はまもなく6時半。仕事を終えた蓮が連絡をしてきたかもしれない。
キョーコが小さく頭を振る。

「あんた、どうせまた敦賀さんからのメールも留守電も聞いてないんでしょ?」

どうしてわかるの?と言わんばかりにキョーコの目が開かれた。

「わかるわよ。毎度のことじゃない。…あ、ほら切れちゃった。どうせメール来てるんでしょ。それでもいいから見なさい」
「だって、もう君にはあきれたとか、しばらく帰ってこないで欲しいとか、そんな恐ろしいことが書かれているかもしれないのよ?」

怖くて見れないもの…消え入るようなキョーコのつぶやきに奏江はため息をつく。

(どうして色恋沙汰になると学習能力が著しく低下するのかしら…)

「いいから出なさいよ」

じゃないと親友やめるわよ!という伝家の宝刀を繰り出す前に、ドアが勢いよく開かれる。

「待たせたな!二人ともっ!!!」

乗り込んできたローリィの衣装は仮面舞踏会風に変わっている。その後ろにいる哀れな生贄はブリッジロックの3人
まだ暗くなり始めたところだというのに、グテングテンに酔っぱらった光を支える雄生と慎一がこちらをみてギョッとした顔をした

「キ、キョーコちゃんっ」
「?」

3人は『きまぐれロック』で共演していてキョーコと親しいはずだ。キョーコも2人の様子に一瞬驚いたようだが3人に挨拶をした。

そして再び…
ローリィの“仮面舞踏会”に続いて、ブリッジロックの3人、奏江とキョーコが歌う。
絶え間なく踊り続けるダンサーズ…それが終わると

「戻ってくるからな~」

再び部屋を出るローリィを見送った。

(もう、これじゃ帰れないじゃない!)

社長がいない隙に浮上させて帰らなくては、奏江が焦ってキョーコをを見ると…

「ねえ?どの歌うたって欲しい?」

コントローラー片手にキョーコの肩を抱く光と、引き攣った笑顔の親友の姿

「!!!」

奏江の知る光の姿とはかけ離れた姿に雄生と慎一を振り向くと

「いや、リーダーちょっと嫌なことがあって…」
「励まそ思おて、収録終わってからカフェバー行ったら、いつもはあんまり飲まんのに…」
「悪酔いしてもたみたいでさ」

そう、お昼の収録で親しい衣装さんと話していた時に出た京子の話題。
彼女も京子とは何度か仕事をしたことがあるとかで盛り上がったのだ。

「最近キョーコちゃん、綺麗になったよなあ」
「今年で高校も卒業らしいし、大人の女性への階段登ってるんやな」

リーダーもウカウカしてんとはよ告白せなあかんで、そんな意味を込めた視線を光に向けながら話していると、衣装さんはニターと笑った。

「やっぱり恋をしていると女の子ってすっごいスピードで綺麗になるのよね」
「えっ」

3人は固まった

「やだ?知らないの?」
「俺ら番組一緒やけど聞いてないで。ガセネタちゃう?」
「絶対彼氏いるわよ。だって私見たもの」

ついこの間ドラッグストアで歯ブラシ選んでいるキョーコちゃん。ブルーとピンクの歯ブラシ2つ手にとって頬染めちゃって…あれは絶対彼氏のよ。もしかしたら一緒に暮らしちゃってるのかもね。
そう力説した後、彼女は仕事で呼ばれて行ってしまった。

後に残されたのはブラックホールを頭上に掲げた光と残り2名。
なんとか収録を乗り切り、励まそうと入ったカフェバーで普段飲まない酒に呑まれ、連れ帰ろうとしたところを社長に拉致されたのだ。

(こんな日にキョーコちゃんに会うなんて)
(あ~あ、悪い方向に積極的になっちゃってるやん)

「ねえ、何歌ってほしい?俺なんでも歌えるよ?」

キョーコはただただ光からの距離を適正にしたい。

「いえ、私歌詳しくないですし」
「なんでもいいって」

これはリクエストしないと離してくれなさそうだとキョーコは判断した

「じゃあ、ミ/ス/チ/ルの…」
「え~ミ/ス/チ/ル?」
「…ス/キ/マ/ス/イ/ッ/チの…」
「ス/キ/マ/ス/イ/ッ/チ~ッ?」

(((ウザッ!!!)))

なんでもいいと言っといての選り好みに奏江たち3人はドン引きだ。

「あ、これ、これにしよう。」

(聞いといて自分で選んだよ!)
(あかん!リーダー!それはあかんわ…)

流れてきたのは“Prisoner”

(よりにもよって最悪の選曲ね)

キョーコが引き攣りながらもなんとか笑顔を作り手拍子をしていると、カバンの中の携帯が再び震えだした
時刻はまもなく7時だ。
意識は完全に携帯に向かっているキョーコに、奏江は近づいて囁いた。

「出なさいよ」
「え、でも…」

そういいながら鞄から携帯を取り出したキョーコに、とどめの一言を言おうと奏江が口を開きかけると

「ほら、俺の歌をしっかり聞く!携帯はしまって!」

いつにない強い口調に、キョーコが慌てて携帯をカバンにしまうと、光はキョーコの肩を抱き再び歌い始めた
抱き寄せられるのは抵抗しながらも、愛想笑いを浮かべるキョーコに奏江のイライラは募る。

(なにヘラヘラしてるのよ!)

勝手に誤解して、勝手に沈んで、一番会いたい人の電話にも出ないで、違う男に肩抱かれて、嫌なくせに愛想笑いして…
そして何より

(ベタベタベタベタ…キョーコに触るんじゃないわよっ!!!)

奏江は高速でメールを打った。
そして、選曲中の雄生と慎一に向き直る。

「コントローラー貸してください。は・や・くっ!」
「は、はいっ!」

その恐ろしい形相に2人はすぐに奏江の手にそれを渡した
奏江はこれまたすごい勢いで入力した。しかも割り込みで

~♪♪♪~

(あれ、これって…)

終わらない光のスキンシップにもがいていたキョーコが顔を上げると、目の前に奏江から差し出されたマイク

「キョーコ、歌いなさい」


(続きます)




光ファンの方すいませんっ
光さんの幸せを願っているんです。
相手キョーコちゃんってのが無しなだけで…
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4. Re:モー子さん。

>seiさん
モー子さんってブツブツいいながらもキョーコのこと大事にしているあたりがかわいいと思うのです。
楽しみにしてくださってありがとうございます。

2014/04/15 (Tue) 16:24 | ちょび #79D/WHSg | URL | 編集 | 返信

3. モー子さん。

キョコさんの行動に怒りながらも、ヤキモチも焼いてるし!可愛いです。( ´艸`)

メールは誰に打ったんでしょうね。

これまでの苦労から、蓮さんのメアドも収得してそうですが。

社さんということも考えられますしねー。

次の展開と選曲が明かされるのを楽しみにしてます。

2014/04/15 (Tue) 16:05 | sei #79D/WHSg | URL | 編集 | 返信

2. Re:悪酔い光君

>mokaさん
光君には申し訳ないことをしました(_ _。)
3話目でようやく歌いますよ~

2014/04/14 (Mon) 23:28 | ちょび #79D/WHSg | URL | 編集 | 返信

1. 悪酔い光君

うは~光君の悪酔い!面白いです~

でもなにより、モー子さんが一体何を歌わせるんだろう???

楽しみですo(^▽^)o

2014/04/14 (Mon) 21:49 | moka #79D/WHSg | URL | 編集 | 返信

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