2014_04
23
(Wed)00:01

1歩いっぽ(14)

今回は本当にダラダラしてます…

2014/4/23初稿、2014/10/6一部修正
何度も鏡に映る自分を見直す。

服は電話の直後から悩み始めて、約束の前日に手持ちの服をひっかきまわしてようやく決まった。
髪の毛は地毛に近い色と長さで軽くウェーブしたウイッグを
メイクはナチュラルに

蓮の隣に立ってもおかしくないように
頑張っていることが蓮にばれないように。



■1歩いっぽ(14) ~それは姿を現し始めて~



(うわっ、ほんとにいる!)

だるまや最寄りの駅切符売り場横に長身の男が立っているのが見えて、キョーコは足を速めた


『役作りに協力してほしいといっても、演技の練習がしたいわけじゃないんだ。どちらかというと人間観察に付き合って欲しい』

電話で蓮はそういった。
だからキョーコも特に役を演じる必要はないと

『男1人で人間観察…ってなんか不審人物だろ?』

だから自分も役作りは兼ねるが、敦賀蓮だとばれない程度の変装しかしない。
キョーコもなるべく素に近い恰好で来てほしいと言ったのだ。

『役つけちゃったら、最上さんとのデートにならないから』

なんていう爆弾までつけて


蓮の姿がはっきり確認できるところまできて、キョーコの歩く速度は少しゆったりとしたものになった。

(“敦賀蓮”じゃない・・・)

シャツにアウトドアブランドのパーカーを羽織って、デニムにスニーカー。片方の肩にリックをひっかけて
スポーツ刈りが少し伸びた程度の黒髪にメガネをかけた姿は…

「ねえ、あの子かっこよくない?」
「なんかスポーツやってるよね。背が高いからバレーか、バスケ?」
「チームの参謀メガネ君って感じ!高校生かな?」
「うーん、もうちょっと上じゃないかな?大学生?」
「どちらにしろ、あの子から見たら私達おばさんだよ~」
「えーっ、いけるかもよ?5つか6つ下なら」

無理無理~と20代前半らしきOLのお姉さんたちが笑いながら通り過ぎた。

キョーコが近づくと“彼”は読んでいた文庫本から目を上げた

「最上さん」

少し眩しそうに、はにかみながら微笑む顔は図体ばかり大きくなった少年といった感じだ。

(これでばれない程度の演技?なんかずるい)

「お待たせ。福井君。待った?」
「いや、俺もさっききたとこ」

いこっか、と二人並んで改札に向かう

「さっきまで社さんも遠巻きに見てたんだよ。やっぱり心配だって」
「…当然だと思う」

気付かれたら大パニックだ。蓮は妙に大胆になるところがある。

「名前だって、適当だし」

敦賀→敦賀湾→福井県って・・・

「最上さんが君呼びは抵抗あるっていうから。」
「当たり前」

敦賀君なんて絶対呼べない

「俺の苗字呼び捨ても許してくれないし」

昨夜電話で打ち合わせをした時、『体育会系ならこう呼んでもいいんじゃない?』とささやかれた苗字

『最上…』

低く囁くような声はなんだか妙に艶っぽく、背中に這い上がる何かを振るい落とすのが大変だったのだ
思い出したことでギクシャクとしたキョーコに蓮は少し苦笑し、小声ならしゃべり方はいつも通りでいいと言ってくれた。


******************************


平日なのに少し混雑した電車を乗り継いてたどり着いた大学は規模が大きく学生の数も多い
どうやらローリィを通じて許可をもらい事前に資料に目を通していたらしく、蓮の歩みは迷いがない。

「最上さん、お昼食べた?」

時刻はまもなく1時

「いえ、まだです」
「じゃ、食べに行こう」

キョーコの想像していた“学生食堂”とはかけ離れ、どちらかというと規模の大きいカフェテラスのようなそれ。
高校生のキョーコにはもの珍しくてキョロキョロしないようにするのが大変だった。
沢山のメニューに短い時間ながら悩みに悩んでから注文し、込み合った席からは少し離れた壁際に座る

「最上さんのそれ何?」
「ミニ天津飯です。つ・・・福井君それだけですか?」

蓮のトレイにはホットドックと珈琲

「男子学生の昼は…無理」

見ると体育会らしき男子学生は、ボリュームあるおかずに大盛りご飯の定食やら、丼と普通サイズの麺類、それに加えてデザートなのか菓子パンを食べているものまでいる。
あれを食べたら蓮はしばらく歩けないかもしれない。
そこでどうやら『お昼は食べたけど、もう少し食べたい』感じでホットドックらしい。

2人で壁際に並んで座ってゆっくり食べながら、周囲の様子を観察する。

少し離れているとはいえ、にぎやかな中で話す声は結構大きく、注意して聞くとかなり聞き取れる。

宿題なのかレポートらしきものを必死に書く学生。
友達待ちなのかおしゃべりに花を咲かせる女の子たち
ノートを貸してくれる人を探すもの。
次のコンパのメンバーを考える男子学生

(結構面白いものね)

キョーコがちらりと蓮を見た
時折キョーコの方を見て話をしているが、アンテナは常に立っているのだろう

(しぐさひとつだって頭に叩き込んでるのよね。きっと)

やっぱり凄い人だ。
役者としてはまだ遠い背中だけど、少しでも追いつきたい。

(ただお供するだけじゃない。私も何か吸収して帰らないと。)

キョーコは気合を入れた。

時間をかけたランチの後、学内をブラブラしながら観察を続けて、校門を出るころには4時を回っていた。
アンテナを張り続けたせいか、酷く疲れた感じがする。

「観察はここまでにして…ちょっと買い物付き合って欲しいんだけど」
「いいですけど、疲れませんか?明け方近くまで撮影あったんですよね?」
「社さんから聞いたの?大丈夫ちゃんと寝てきたから」
「せいぜい2、3時間じゃないですか」
「晩御飯一緒に食べてくれたら早めに切り上げるから。行こう」

その姿のせいだろうか、ひどく子供っぽく強引な気がする。


駅まで戻って入った商業ビルでキョーコは蓮の袖を引っ張った

「ふ、くい君。ここって」

誰もが知る赤いロゴのカジュアルファッションの店

「うん?コニクロ」

蓮がモデルをつとめるアルマンディとは桁が一つ確実に少ないだろうこの店にいったい何の用があるというのか?

「いや、この姿なら最上さんと気ままに歩けるって実証されたし」

そんな実証に付き合ったつもりはキョーコにはない

「これから寒くなるから、この服じゃだめでしょ?」

今日来てるシャツもここのだって社さん言ってたよ?
1900円のシャツを着こなすゴージャスタ-様

「今日の服装、社さんが揃えたんですか?」

「色や形はネットで俺が選んだよ?サイズは見てみないとわからないから社さんが直接店で買ってくれた。俺の身体を熟知してるからね」
「…いかがわしい言い方しないでください」
「冬用にダウンは社さんにアウトドアのお店でお願いしてもらうから、最上さんその下選んでよ」

渋々とキョーコは店に足を踏み入れた。



(15に続きます)





ね?ダラダラ・・・
まあ、こんな時もあるってことで・・・お許しを
関連記事
スポンサーサイト

コメント

4. Re:やしろさーん

>mokaさん
なんかこういう細かい妄想って沸きだしたら止まりませんよね。長くなるから削るんですけどまた湧いてくる…で困っちゃいます。
社さんは気づかれたら飛び出て言ってブリザードかける気だったんだろうなあとか
そんあ時の社さん戦隊物のヒーローみたいよねとか
妄想してくださってありがとうございます

2014/04/23 (Wed) 23:31 | ちょび | 編集 | 返信

3. Re:蓮さん!

>seiさん
次も行く気満々です。そして、次に言ったら春物買ってまた次回…終わりません!( ̄▽+ ̄*)

2014/04/23 (Wed) 23:27 | ちょび | 編集 | 返信

2. やしろさーん

蓮さんが楽しそう。
カイン兄さんの買い物シーンでも思ったんですが、蓮さんって意外に洋服のお買い物とか好きそうな気がします。
いや、、キョーコちゃんに着せる服のお買い物か。・・デートだったら何だっていいのか。

それにしても社さん、買い物もしてあげてたんだ!!!心配して胃をきりきりしながら遠巻きにみていて、キョーコちゃんがきて、乙女顔になってたのかしら?

コメントなのに、妄想いっぱいで、ごめんなさい!

2014/04/23 (Wed) 17:17 | moka | 編集 | 返信

1. 蓮さん!

つくづくチャンスは逃さない男ですね!!

これから先のチャンスも作くっておくぜ!的な?(爆)

2014/04/23 (Wed) 16:26 | sei | 編集 | 返信

コメントの投稿

非公開コメント

トラックバック