2014_05
05
(Mon)07:00

忘れるにはあまりに強烈すぎて(記憶喪失の為の習作1)

おはようございます。ちょびでございます。

題名をみて「なんだこれ?」と思った貴方。

ごもっともです。
私の完全なる自己満足です。
ですが、ちゃんと追記にお話ありますので、一応読んでくださいまし

『記憶喪失』

古今東西、小説、漫画、ドラマの重要アイテムの一つですよね?ね?
スキビ2次の世界でもよく扱われる素材だと思います。
私の大好きなサイト様でも扱っておられて、私もそのお話が大好きです。

ですが、実際記憶喪失ってそんな身近なものではありませんよね?
私も結構生きてますが、それを目撃?したのは一度こっきりです。

そんなものがなぜこんなに頻繁に登場するのか?

それはもうサスペンス要素なら過去がわからないという謎に満ちてますし
恋愛なら、大事な相手が自分を忘れるという切なさ満載!
物語にとってものすごく刺激的スパイスだからですよね。

じゃあ、それをトコトン追求してみようという気がむくむく沸いてきまして・・・

『記憶喪失』をネタにいくつ、そしてどんな物語が出来るか
そんなお遊びでございます。

単発もの。連載もの。
いったいどれだけ出てくるのか自分でもわかりませんが、息抜きを兼ねて思いついた時に書いていこうと思います。

さて、今回は一発目。どんなお話になりますやら?

2014/5/5初稿、2014/9/30一部修正





■忘れるにはあまりに強烈過ぎて(記憶喪失のための習作1)



ヴゥーーーーーン

自動販売機の低い機械音が静かな病院の廊下では妙に響く

キョーコは硬貨を入れかけたまま小さなため息をついた
不安と疲れで濁った頭では、自分が何を飲みたかったのかさえわからない。


「キョーコちゃん」

声に振り返ると、社がいつの間にか後ろに立っていた。

「今晩は部屋に帰って休んだ方がいいんじゃないかな?この3日間病院と仕事の往復で身体に堪えているはずだよ」
「…大丈夫です」
「キョーコちゃんに何かあったら俺が蓮に怒られるよ」
「敦賀さんのいない部屋に帰ったら…怖くて…」

眠れる気がしません。そうつぶやくとキョーコは俯いた。

「あんな事故に巻き込まれたけど、大した傷もなかったんだ。
 目が醒めないのはここんとこ仕事がハードで疲れがたまっているからだよ。」

大丈夫

「やっと婚約まで持ち込めたキョーコちゃんを置いて死んだりしないよ。
 あいつはたとえ首がもげたって生えてきそうな気がするね」

おどける社に、キョーコは小さいながらもクスリと笑ってうなずいて見せた

「ありがとうございます」

うん、と社はキョーコが入れようとしていた硬貨を取り上げる

「今、社長が来たよ。美味しいお茶いれてくれるみたいだから、病室に帰ろう」
「お茶、ですか。楽しみですね」
「うん。マジョラムティーだって。キョーコちゃん知ってる?」


蓮の病室まで戻ると丁度看護士が出てきたところだった。

「あ、意識戻られましたよ!もうすぐ先生来ますから」

慌てて室内に入ると、ベットを起こしてよりかかりながらもローリィと言葉を交わす蓮の姿が見える


キョーコは安堵と喜びと…こみ上げてくる感情に言葉を失った。


蓮がこちらに視線を向けた

「社さん。ご心配をおかけしました」
「えっ?ああ、いや、よかったよ」

先にキョーコに声をかけるものと思っていた社の声は裏返った

蓮の視線がキョーコに移る

「ええっと…LMEのスタッフの方?」

場が凍る中、「はーい。敦賀さん。お待たせしました~」担当医ののんびりした声が響いた。




***************************************




「事故による逆行性健忘だと思われます」

所謂記憶喪失ってやつですね。と担当医は言った。
とりあえず蓮の診察を終えて、ローリィ、社、キョーコを別室に連れてきての説明。

「京子さん以外の記憶ははっきりとしている。ただ、京子さんと深くかかわった事柄に関してはぼやけた記憶のようですね」

キョーコの肩がびくりと揺れる。

「事故後の検査でも特に脳への損傷は見られませんでした。明日もう一度CTはとってみますが、2、3日は様子を見ましょう」

事故後の混乱もあるかもしれません。あまり思いつめないでくださいね。医師はそう締めくくった。



蓮は窓の外を眺めていた
皆の雰囲気に不安を募らせていたのだろう、戻ってきたローリィに問いかける

「社長、何の話だったんですか?」

「ああ、明日念のため精密検査だって話だ。それよりお前、この部屋は携帯大丈夫だからクーに連絡してやれ。心配してたぞ」

蓮は眉を寄せた

「社長。そういう話は人のいる場所ではちょっと…」

社はギョッとした。

まだ世間に公表していない蓮のバックボーンだが、ローリィ、キョーコ、社などの身近にいる人間は知っている

(この場で他人ってことは・・・)

斜め後ろに立つキョーコを盗み見ると、うつむいている。

「いや、お前…」

ローリィが制止しかけたが、蓮の言葉の方が早かった。

「ごめん、君…ちょっと席をはずしてくれるかな?」


ぞくんっ


社は部屋の温度が5度近く下がったような気がした。
斜め後ろからなんだかおどろおどろしい空気が漏れ始めている。

「ふふっふふふふ・・・」

キョーコの低い笑い声

社とローリィから蓮に矢継ぎ早に声がかけられる。

「やっ、ヤバいっ。蓮、謝れ!」
「土下座だ。土下座。」
「はあ?」

「…君がいない人生は意味がないとか。一生君を愛すとか。製糖会社の人もびっくりの甘々しい言葉を毎日毎日垂れ流しておきながら、忘れましたか」

「え?」

「一生君だけを見ているとか言ってくれやがったくせに…忘れましたか」

「いや、だから」

「わっかりましたっ!!!!!別れて差し上げます!!!!」

「えっ?」

「きれいさっぱり!!!跡形もなく別れてご覧に見せます!!!!」

「あ、あの」

「失礼しますっ!!!!」


すさまじい勢いでキョーコは病室を飛び出した。

その途端、蓮もベットを飛び出す


「…元気だな」
「ですね」

病室に残ったローリィと社のカップに執事が煎れたてのお茶を注ぐ


「ちょ、ちょっと待って。待って…君っ!」

「君、なんて貴方に呼ばれる筋合いはございませんっ」

「ちょ、待って。待って。…キョーコッ!!!」


「…思い出したな」
「思い出しましたねえ」

もう一杯、とローリィはカップを差し出した

「明日の検査いりませんって言わなきゃいけませんね。」
「いや、もう退院でいいんじゃないか?」


バカップルの帰ってくるまでにお茶はすっかり冷めそうだ。

執事はもう一度お湯を沸かし始めた。


(おしまい)






強気なキョーコちゃんの隣では記憶無くしている暇も与えてもらえない。というお話。
すいません。馬鹿話で。

今度は切なさを求めます!(いつ書くかは不明)
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14. Re:にまにま

>ナーさん
5回!なんて光栄な!
敦賀さんはキョーコちゃんの引力の前には記憶の有無なんてどうでもいいらしいです( ̄▽+ ̄*)。

2014/06/21 (Sat) 01:21 | ちょび #79D/WHSg | URL | 編集 | 返信

13. にまにま

読み返し5度目です。やっぱりダイスキです。
キョーコちゃんの勢いに蓮が振り回されるのは記憶があってもなくても同じですね。ぷぷっ。

2014/06/20 (Fri) 23:42 | ナー #79D/WHSg | URL | 編集 | 返信

12. Re:大好き!

>はるりんさん
いやもう、敦賀さんはそれこそ条件反射ですかね(笑)
喜んでいただけてよかったです。
コメ有難うございます!

2014/05/06 (Tue) 02:21 | ちょび #79D/WHSg | URL | 編集 | 返信

11. Re:このパターン好き!!

>seiさん
有難うございます!
悪巧み受け取りました(笑)

2014/05/06 (Tue) 02:19 | ちょび #79D/WHSg | URL | 編集 | 返信

10. Re:うははは(о´∀`о)

>へなへなっちさん
楽しんでいただけてよかったです!
まさかこんな馬鹿話が喜んでいただけるとは…嬉しい誤算です

2014/05/06 (Tue) 02:18 | ちょび #79D/WHSg | URL | 編集 | 返信

9. Re:あはははは

>けんじさん
有難うございます!
ついでに言えば、もしモー子さんがこの場面に遭遇したら「やってられない」と眉間にしわ作って回れ右しそうだと思っています( ̄▽+ ̄*)

2014/05/06 (Tue) 02:16 | ちょび #79D/WHSg | URL | 編集 | 返信

8. Re:好きです!

>mokaさん
キョーコちゃんらしいって何よりのお褒めの言葉です。有難うございます。

2014/05/06 (Tue) 02:12 | ちょび #79D/WHSg | URL | 編集 | 返信

7. Re:ふふふふっ

>碧樹さん
強気キョーコさんの前では、敦賀さんはもうついていくしかないようです(笑)
不器用脳なので蓮キョ以外妄想できませんが、また読んでやってください。

2014/05/06 (Tue) 02:11 | ちょび #79D/WHSg | URL | 編集 | 返信

6. 大好き!

素敵です。
瞬間思い出しましたね。
キョコちゃんがつらい思いをするのはやっぱりつらいのでこれいいです。
連さん、別れるという言葉に嫌な予感でいっぱいになったのかしら。

2014/05/05 (Mon) 17:01 | はるりん #79D/WHSg | URL | 編集 | 返信

5. このパターン好き!!

ショーのときのことを考えれば、あとで一人になったときはともかく、その場ではこうなる可能性も高いかも!と思いました!

納得の(1)でございます。

よし!!! (`・ω・´)キリ ←悪巧み?



2014/05/05 (Mon) 15:56 | sei #79D/WHSg | URL | 編集 | 返信

4. うははは(о´∀`о)

そうきたかっ!(≧∇≦) あたこちで見られる記憶喪失ネタのようにキョコちゃんがツラい思いをすると思いきや! 良いネェ(*´∀`)。楽しまさせていただきました。

2014/05/05 (Mon) 11:48 | へなへなっち #79D/WHSg | URL | 編集 | 返信

3. あはははは

キョーコちゃんかっこよすぎ!そして周りの反応が良すぎです!もう一生どころか来世までそのままでいるといいよ。

2014/05/05 (Mon) 11:21 | けんじ #79D/WHSg | URL | 編集 | 返信

2. 好きです!

あ、このオチは素敵とポロリ。
キョーコちゃんの怒り発動!キョーコちゃんらしさ満点ではないかと。

2014/05/05 (Mon) 10:43 | moka #79D/WHSg | URL | 編集 | 返信

1. ふふふふっ

蓮さんは記憶喪失になると、そら恐ろしい事になるのですねぇ。
うちのネタでは蓮キョではないので。
これからのお話しも楽しみですっ。

2014/05/05 (Mon) 10:11 | 碧樹 #79D/WHSg | URL | 編集 | 返信

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