2014_05
14
(Wed)02:00

貴方じゃなくても(3)

3ヶ月記念といいながらダラダラ続く…

2014/5/14初稿、2014/12/10一部修正



■貴方じゃなくても(3)



結局、あさひは2人の部屋にあげてもらい、夕飯までご馳走になることになった。
さっきは作るばかりで結局ほとんど口に入らなかったのだ。

(わ、ワンフロア占有!)

もう過ごすぎる豪華さにさっきから声が出ない。
キョロキョロするあさひにキョーコが困ったように笑った

「ごめんね。びっくりさせて…あの…」
「言いません!お2人がお付き合いしているなんて!この秘密は墓場まで持っていきます!」

宣誓するあさひに蓮は笑った

「いや、墓場に持っていくまで秘密にするつもりはないから大丈夫。」

それって、つまり・・・
2人を見較べると、びっくりしたように目を見開いた後、頬を染めるキョーコと、それを優しい笑顔で見つめる蓮の姿
なんだかあさひまで照れてしまう。

手伝いを申し出たが断られてコーヒーを飲みながら待っていると、なんだか覚えのある香り

(これって…)

案の定、夕飯のメインは“鮭のちゃんちゃん焼き”。
固まるあさひにキョーコが慌てる

「もしかして鮭とか苦手だった?」
「大好きです!いえ、あのですね・・・」

結局あさひは夕飯をご馳走になりながらすべてを話すことになった。

話している途中で気付いた。
向かいに座るキョーコの顔が歪みそうになったり、もとに戻ったり実に複雑な動きをしていることに。
横に座る蓮がそれを興味深そうに眺めていることに。

「京子さん、どうかしました?」
「ううんっなんでもないっ!あさひちゃん、今日はもう泊まっていきなよ」
「そんな。私朝出るの早いですからご迷惑ですよ」
「私も早いから一緒に朝ご飯食べようよ」
「泊まっていけばいいよ。あさひちゃん。俺に遠慮しなくていいから」

先輩2人に言われて断るのも失礼だし、確かに助かるので、あさひは頷いた。

「ご馳走様。美味しかった」

蓮は箸を置いた。

「お粗末様でした。」
「キョーコの作るこれ・・・同じのを前ロケにいった時食べたけどなんか味が違ったよ」
「そうですか?」
「うん、なんていうかキョーコの作るほうが野菜の甘みが出てるっていうか…」
「白味噌使っているからですかね?」

2人の会話をぼんやり聞いていると、蓮がこちらを向いた。

「あさひちゃん。どうした?」
「あ、いや、仲いいなあって。聞いていいですか?」
「どうぞ?」
「お2人のうちどちらが先に好きになったんですか?」

蓮が軽く手を上げる。

「俺だよ。DMの頃から。押して押してようやく」
「ええっ、抱かれたい男№1が!?」
「オーバーに言わなくでくださいっ。DMの頃なんてちっとも押してなかったじゃないですか!それに、そのころから私も好きだったんだから、別に敦賀さんが先ってわけじゃないです!」

目の前で繰り広げられる告白合戦にあさひは大げさにニマニマして見せた

「両片思いってやつですかあ?ご馳走様です」

その言葉にキョーコは沸騰したように赤くなってアワアワとして見せた。どうやら思わず口にしてしまったようで、蓮にからかわれている。

(京子さん、可愛いなあ)

ちっとも鳴らない携帯電話がチラリと頭を掠めた

胸が小さく痛む。

*
*
*

(すっかり長湯しちゃった)

キョーコのパジャマに身を包んで、あさひは長い廊下をぺたぺた歩く
先輩2人はキッチンにいるらしい。

「…さんが差し入れに持ってきてたんだ。絶対キョーコは好きな味だと思う。今度買いに行こうよ」
「人気なんですよね?並ばなきゃ買えないんじゃないですか?」
「社さんが予約できるって言ってたよ」

2人は後片付けをしているようだ。
お邪魔かな?と思いながらもあさひは顔を出した。

「お風呂ありがとうございます。お先に頂いたうえに長湯しちゃってすいません」

キョーコが皿を拭きながら首を振る

「私が張り切って、マッサージジェルやらソルトやら色々出しちゃったんだもん。もっと入っててもよかったのに」
「これ以上入ったらのぼせちゃいますよ。ジェルすごいよかったです」
「ほんと?」
「なんか、顔の輪郭シャープになったような気がします」

ほら、こことか
盛り上がる女子達に苦笑しながら皿を洗い終えた蓮が、キョーコを促した。

「ほら、後はやるから。キョーコはお風呂行って。あさひちゃんは早く寝なきゃだめだよ」
「え、でももう少しですし」
「俺は明日ゆっくりだから。はいはい、2人とも行って行って」


ゲストルームのベットはふかふかだった。

(なんかいい匂いがする…)

豪華でまるでモデルルームのようにきれいな部屋
でも、ちゃんと生活感が所々にあって、暖かく安心できる部屋
すごく居心地がいい。

あさひは微笑むと目をつぶった。

携帯はまだ鳴らない。

*
*
*

翌日の仕事が全部終わったのはもう遅い時間だった。
近くまでマネージャーに送ってもらったあさひの足は、自分のマンションに向かう。

(京子さん達本当にラブラブだったなあ)

あさひは今朝のことを思い出し、くすりと笑う。


キョーコと一緒に随分早い朝ご飯を食べていたら、蓮が起きてきたのだ。
寝ぼけ眼に、寝癖まで出来たパジャマ姿
眠気も一緒に引きずるようにズルズルと歩いてくると、ダイニングテーブルに手をついて…
「おはよう」とキョーコの頬にキスを贈った。

「ちょ…、あさひちゃんいますから!」
「え?」

2人を凝視するあさひの視線に気付いた蓮はようやく覚醒したらしい。

「・・・あ~。えーと、…ごめん」
「いえいえ、色々貴重なものを拝見できました」

寝起きの敦賀蓮に、リアルおはチュー。
これは貴重だ。眼福だ。とあさひは思う。

「それは…よかったね」

バツが悪そうに横を向いた蓮の顔はほんのり赤かった。



思い出したあさひはクスクス笑いだした。
すれ違う人に怪訝そうに見つめられて、慌てて顔を引き締めた

昨日今日であの2人のことがもっと好きになった。
でも、その一方で人恋しくもなったのだ。

あさひも翔太とあの2人のようになりたい。
最近ちょっとすれ違いがちな気がするけれど、あさひの大事な人は翔太なのだから。
もっとよくコミュニケーションをとって、あの部屋をもっと居心地のよいものにしたい。

時刻は11時を過ぎ
明日は朝から専門学校の大事な講義がある翔太は寝ているかもしれないと、あさひは静かに玄関を開けた。

そして息をのむ
玄関にあるのはあさひのものではないパンプス
エナメル素材のそれは夜の玄関で妙に浮いていて…あさひに現実感を失わせた。

事態がよく理解できないまま玄関を上がる。

部屋は1LDKだ。
廊下を数歩いけば寝室のドア。
そのドアはご丁寧にも開いていた。

見えたのは、ベットでくつろいでいる翔太
その傍らにはあさひの知らない女
ぴったりよりそった2人は何も身に着けていなかった。


(4に続きます)






何に悩んだって、敦賀さんが「あさひちゃん」と呼ぶか「清里さん」にすべきか
関連記事
スポンサーサイト

C.O.M.M.E.N.T

4. Re:追記。

>seiさん
ちーん(レジ音)
よろしくお引き回しのほどを(^ε^)♪

2014/05/14 (Wed) 15:36 | ちょび #79D/WHSg | URL | 編集 | 返信

3. Re:やはり。

>seiさん
ここまで徹底的にわかるほうが今後のためにはいいかもしれませんね~
今後のあさひちゃんに乞うご期待です:*:・( ̄∀ ̄)・:*:

2014/05/14 (Wed) 15:34 | ちょび #79D/WHSg | URL | 編集 | 返信

2. 追記。

3話も頂戴して帰ります。

有難うございました。о(ж>▽<)y ☆

2014/05/14 (Wed) 11:14 | sei #79D/WHSg | URL | 編集 | 返信

1. やはり。

キョコさんと同じ運命を・・・・

不憫。

今気付けて良かった。

そう思える様になりますように!




2014/05/14 (Wed) 11:14 | sei #79D/WHSg | URL | 編集 | 返信

コメントの投稿

非公開コメント

トラックバック