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22×3(1.敏腕マネージャー困惑する)(記憶喪失の為の習作8)

また性懲りもなく書いてしまいました。
記憶喪失の為の習作8作目です。どんだけ書くねん…。

今回は今まで以上に医療知識云々丸無視、いやむしろファンタジーです。
そして社長さんことローリィさんが、まあとんでもないほど非常識です。

なんでもどんとこい!って方は追記よりどうぞー。

2019/9/9初稿




近所の惣菜屋で買ってきた夕飯を並べながら、社倖一は現在時刻を確認した。
午後8時30分過ぎ、人気俳優敦賀蓮のマネージャーとしては早い終業時間だ。

「今頃蓮もキョーコちゃんの夕食堪能してる頃かなあ。」

ついつい出てしまう独り言は、長い一人暮らしの定番の産物だ。
今日は久しぶりにキョーコにラブミー部の依頼として夕食作りを頼んだ。そろそろあの恋愛ベタ俳優にもデートに誘うぐらいの気概は見せてほしいものだが、相手はラブミー部のラスボスだ。なかなか上手くいかない。その上このところスケジュールも重ならず送迎で一緒になることも出来なくて、蓮が相当に鬱々としている姿を見てついにマネージャー特権を発動させてしまったのだ。

テレビをつけると、キョーコが出ているCM。それに向かっていただきますと手を合わせて、自分なりに栄養バランスを考えて買った惣菜の小さなパックを開けていく。


■22×3(1.敏腕マネージャー困惑する)(記憶喪失の為の習作8)



それにしてもと、高野豆腐の煮物を咀嚼しながら考える。
キョーコの真意は分からない。ヘタレはヘタレながらも最近の蓮はキョーコにアプローチを仕掛けている。振られるのが怖くてはっきりとは言えてないが、キョーコを特別だと思っていることを匂わすことだって口にしてる。
だが、そんな蓮の涙ぐましい努力もキョーコはスルーだ。それはもうバッサリ切ってのける時だってある。
以前はそんなキョーコを恋愛を毛嫌いするラブミー部体質によるものと思っていたが、時折覗くのだ。蓮が出ている雑誌のページを開いた時。大勢の共演者に囲まれた蓮を遠目に見るとき、キョーコの表情にほんの僅かな揺らぎが。
だが、それ以上キョーコから意志を読み取ることは出来ない。

(どうしたもんかなあ…。)

食事依頼や送迎で2人を会わせることだってキョーコが嫌がってないから出来ることで、これ以上お節介に踏み込んで仕事に影響が出るような結果になるのは絶対に避けたい。

社にとっては大事な2人だ。是非とも幸せになって欲しい。
その一方で実に難解な2人でもあるのだ。何か2人を結び告げるようなラッキーハプニングでも起こらないだろうか。

悶々としながらも腹は空いているので食事は進み、食後のお茶をペットボトルでいただいているところで小さな揺れを感じた。

テーブルにおかれた空き缶が僅かに揺れる。恐れを感じるほどでないということは震度3かそれ以下か。
しばらくするとそれも収まり、その後感じ取れるような揺れもやってこない。

やれやれと思いながらパック類をまとめていく。

(蓮の部屋は大丈夫だったかな?)

マンションの最上階だ。免震構造の関係で上にいけばいくほど揺れを大きく感じると聞いたことがあった。

(電話?いやでもお邪魔になったら悪いしなあ…)

視線を向けたタイミングで着信を知らせるメロディとともにテーブルに置かれたスマホが震えた。この音は担当俳優のものだ。
社の体感ではたいしたことのない感じだったのだが、やはり結構揺れたのだろうか?まさかどちらかが怪我でもしたとか?

「はい。」
『や、社さん。』
「どうした?さっきの地震で怪我でもしたんじゃないだろうな?」
『え…地震…?』

たいしたことなかったとは言えあの揺れに気付かなかったのかと違和感を覚えるが、それより常にないほど動揺した蓮の様子に不安が募る。

『あ、あの、社さん。』
「なんだ?」
『その…。俺、自分の部屋にいるんですけど。』
「ん?ああ、知ってるよ。」

マンション地下の駐車場まで送り届けたのは社自身だ。

『その…。』
「うん。」

今までにないほど歯切れが悪い担当俳優に少し苛立つが、キョーコが怪我でもしたらパニックになっていてもおかしくはない。こちらができるだけ冷静に話を聞いてやらなければ。

「ゆっくりでいいから言ってみろ。どうした?」
『…いるんです。』
「ん?」
『いるんですよ。知らない女の子が俺の部屋に。』

……

……知らない女の子?

「……は?」


とりあえずハプニングは起こったらしい。


(その2に続く)


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