2014_06
30
(Mon)12:00

1歩いっぽ(24)

宣言通り今週も更新できました。
明日から7月ですね。強い日差しがダメなちょびには嫌な季節がやってきます。もしかしたら梅雨明け位からは更新頻度下がるかもです。



2014/6/30初稿、2014/10/7一部修正


■1歩いっぽ(24) ~ 明かされる。受け止める。~



「せっ先生!?」

いるはずのないビックネームに周囲が騒然とする中、キョーコもまた驚いていた

(いや、確かにここはアメリカだけど!)

手を広げながら近づいてきたクーはノンノンノンと首を振る

「ちがうだろう?私はお前のなんだ?」
「…父さん?」
「よくできました!」

ワシャワシャワシャッとキョーコの頭をかき乱した後ハグしようとしたクーは

「お久しぶりです。Mr.ヒズリ」

蓮に間に割って入られた

「こんな所でお会いできるなんて光栄です。休暇中ですか?」
「あ、ああ」
「おひとりですか?愛妻家のMr.が?」

キュラキュラキュラキュラ…
久しぶりの似非紳士フラッシュが突き刺さる

「妻は…後から合流なんだ。」
「よく彼女がここにいるってご存知でしたね」
「いや…昨日偶然街で見かけて…ボスに問い合わせたんだ」
「成程、やはり昨日お見かけしたのはMr.でしたか。すごい偶然ですね」

キュラキュラキュラキュラ…

「あ、あの…」
「おおっ、キョーコ。そんな訳で、CMの撮影は今日の夕方までだって聞いたもんだからな。日本に帰るのは明日なんだろう?どうだ?今夜はうちにこないか?」


「父さん?」「キョーコちゃんってクーの隠し子かなんか?」「ちがうだろ?」「じゃあどういう関係?」


スタッフ達の囁きが耳に入って社は慌てた

「Mr.ヒズリ、光栄ですが…その」

いくら親子とお互いが言っていても他人は他人だ。
そのハリウッドスターの部屋に1人で行ったとなるとどんなスキャンダルになるか火を見るより明らかで、マネージャーとしては許すわけにはいかない。

「ああ、キョーコの仕事ぶりも聞きたいからな。監督と…敦賀君は同じ事務所でもあるんだろう?そしてマネージャーの君も招待を受けてもらえると嬉しいんだが」

囁きはハリウッドスターの招待を受けた4人への羨望に変わった。

「俺もいいんですか?」
「もちろんだっ。君はキョーコのデビューCMも担当したんだろ?ぜひ話を聞かせてくれ」

黒崎と改めて初対面の挨拶を交わして、クーは振り返った

「敦賀君もいいかな?」
「…ええ、もちろん」
「よし!じゃあ、買い出しだ!キョーコ一緒に行ってくれるな?」
「お供します!先生!」
「とうさんだっ!じゃあすまないがキョーコは借りていくよ!」

スタッフ一同はただただ頷くばかり。
脱兎のごとく駆け出したクーとキョーコを皆はあっけにとられたまま見送った。

「…予約入れなくてよかったな。蓮」
「だから言ったでしょう。何かあるかもしれないって」
「いや、でも、まさかハリウッドスターが御降臨とは…」

キョーコちゃんってやっぱりびっくり箱だよなあ。つぶやく社に蓮は苦笑した。


**********************************


「ふーっ」

シャワールームから出てきたキョーコは息をついた

あれだけ海ではしゃいだCM撮影の後、クーと本当に山のように食材を買い込んで、別荘についてからはバーベキューパーティの準備、そして遅れてきた3人と合流してからは食べて。しゃべって、また食べて、本当に目まぐるしく楽しい一日だった。

クー、黒崎、社、そして蓮が本格的に飲みだしたタイミングでキョーコは先に休ませてもらうことにしたのだ。

キョーコはベットに腰掛けると部屋を見渡した。
白と淡いブルーを基調としたこの部屋は、久遠少年のもの。

「お前は私の子供だからな」とゲストルームではなくこの部屋を自由に使うように言われたのだ。

クーの気持ちは嬉しいが、亡くなった息子さんの部屋をそのままにしておきたかったのでは?となんだか後ろめたい気分になる。

(15で亡くなったのよね。どんな人だったのかな)

かつてのクーの息子自慢を思い出しながら視線をさまよわせていると、それは視界に入った。

フォトスタンドも兼ねたアルバム

ボードに飾られたそれの近くにいってよく見てみる。
革張りの表紙には窓が開いていて、そこから見えるのは金髪の赤ちゃんを抱くクーとその妻ジュリ

飾っているからには見ていいのだろうと言い訳をして手に取ってしまったのは

なんだか似ていたから
慈しみに溢れた顔で赤ん坊を見つめるクーのその表情が
今、キョーコの傍にいる先輩俳優に

ページをめくる

 赤ん坊のアップ
 金髪にグリーンアイ

 よちよち歩きの姿

 ビーチで泣いている横顔

 バケツの中の魚を指差している笑顔

…似ている

ページをめくる

 クーの背におぶわれている後ろ姿

 バーベキューでの満面の笑み

ページをめくって…心臓が止まるかと思った

 木に登る…妖精

震える手でページをめくる

だんだんと“彼”の目の陰りが増して

だんだんと似ていく

グアムで再開した妖精に?
いや、あの人が時折見せる表情に

最後の写真で、ついにアルバムを持てなくなるほどの衝撃を受けた。


ベットに音もなく落ちたそれに収まっているのは
微笑む両親に少し距離を置いて、こちらを無表情に見つめる顏

静止したその絵は脳内での色の変換を容易にして、
その金髪を、そのグリーンアイを…

コンッコンッ


ドアが控えめにノックされて、キョーコは我に返った


(25に続きます)
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コメント

4. Re:キョコさんが。

>seiさん
有難うございます!
一歩どころか1センチずつ進んでいる2人ですものね。
もうちっと歩速あげてもらえるといいんですが…

2014/06/30 (Mon) 23:59 | ちょび | 編集 | 返信

3. Re:待ってましたぁ~(//∇//)

>へなへなっちさん
キュラキュラ理由は最上占守のほかにもあるんですよ~
来週には明らかになる…はず。
これでノックヤッシーの事務連絡とかだったりしたら石投げられますね~( ̄▽+ ̄*)

2014/06/30 (Mon) 23:58 | ちょび | 編集 | 返信

2. キョコさんが。

真実にも一歩近づきましたね。

これで、蓮さんとの関係が1歩前進するのでしょうか。

続きも楽しみにしてます。

2014/06/30 (Mon) 13:57 | sei | 編集 | 返信

1. 待ってましたぁ~(//∇//)

ふふふ(*´∀`) 蓮さん、自分の父親に嫉妬するなんて可愛いですよね。キョコちゃんが久遠くんの部屋に泊まるなんて… あぅ…ノックの相手は誰でしょうか?気になります!

2014/06/30 (Mon) 12:53 | へなへなっち | 編集 | 返信

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