2014_07
09
(Wed)11:59

撫で愛でる未来(リクエスト)(前編)

こんにちは。ちょびでございます。

辺境の地である拙宅のアメンバー様が100名を超えました。
皆様、よくぞたどり着いてくれました~。有難うございます。

リクエストなんて出来ないことはやらないと思ってたちょびですが
せっかくだから、やってみよう!
ってなわけで、100人目のアメンバーくりくり様にリクエストを強要です!

くりくり様、本当に有難うございました!


【恋する愚か者シリーズ】
悩みの音 →愚か者の幸せ(前編)(後編)   の後くらいのお話です。

2014/7/9初稿、2014/10/20一部修正


■撫で愛でる未来(リクエスト)(前編)



「修学旅行?」

いつものように2人で後片付けを済まし、蓮がコーヒーを入れてリビングに戻ると、キョーコは冊子やらプリントやらをテーブルに広げていた。
それは何かと尋ねて返ってきたのが

「もうすぐ修学旅行なんです。」

その言葉とキョーコの笑顔だったのだ。

蓮は手元の冊子を手に取った。
表紙には『修学旅行のしおり』という古典的な題名

「そっか、修学旅行か。いつ行くの?」
「来月入ってすぐです。3年生になってから行くなんて、珍しいかもしれませんけど」

なんでも、受験に備えて2年生のうちに済ませる学校が多いらしい。

ペラペラと冊子をめくる

「沖縄なんだね」
「そうなんです。私行ったことないから楽しみで!」

行程表のページを広げて、あれやこれやと教えてくれるキョーコに蓮は優しく微笑んだ。

「そうだ!敦賀さん。お土産何がいいですか?」
「お土産?いいよ。キョーコが修学旅行を楽しんで、無事に帰ってきてくれるだけで充分」
「そういう訳にはいきません!」

いつも蓮に嬉しいお土産をもらっているのだから、こういう機会は逃したくないとキョーコは主張する。

「そっか、じゃあ…」

蓮は一つおねだりをした。



**********************************



(一日目にしてこれかよ…)

社は控室に入ると素早くドアを施錠した。

先程までCM撮影のスタッフに爽やかな挨拶を振りまいていた男は、携帯を手に重く澱んだ空気を発している。
気付かぬふりをして夕飯の弁当を並べていると、蓮の方から口を開いた
どうやら聞いて欲しいらしい。

「最低ですよね…」
「何が?」

沈下の原因は明白だが、社はすっとぼけた返事をした

「恋人が修学旅行を楽しんでいるのを喜んであげられない男なんて、狭量で最低だって言ってるんです」

本当は修学旅行になんて行かせたくなかった。
同じ年頃の勿論男子も含めたクラスメイトと4日間寝食を共にする。そう考えただけで、不安、疎外感、羨望…マイナスな感情が溢れそうになる。

だが、蓮は知っている。
キョーコがどんなに“高校生活”を渇望していたかを。

だから、精一杯微笑んで言ったのだ。
「お土産代わりに一日一回写メ送って欲しいな」と

“どうか自分のことを日に一度は思い出して”
そう願ったのだ。


「承りました!」

そう元気よく敬礼して見せた恋人は、約束を守りメールをくれる。
それも行く先々で、景色や食べたものを写して。

それを見るたび、
楽しそうな文面にモヤモヤする自分に、行程表にあった観光地をろくに知らない自分に
ガッカリして、また落ち込む。

何度も何度も訪れたことのある沖縄。
だが、知っているのは撮影場所と飲みに行った店くらい。メジャーと言われるスポットだって名前を知っている程度だ。

キョーコは後悔してないのだろうか?
時間を仕事に埋め尽くされ、外を一緒に歩くことさえままならない男と付き合って


どんどん沈んでいく担当俳優

こんな時頼りになる天然敦賀使いキョーコは不在
だが、こんな時こそマネージャーとしての職務を全うせねば

蓮を救い上げるべく、社は声をかけた

「いや、別に、最低、なんてことはないと思うぞ」

正直言うと、キョーコが修学旅行に行くのを蓮が不安に感じていることを社は全くもって狭量なんて思わない。
学生時代の、あの同じクラスと言うだけで生じる連帯感は特別なものだと思う。
社だって同じクラスに気になる女の子がいる時は、修学旅行は勿論、学校行事があるとなんだかいいことがあるんじゃないかと期待をしたものだ。

高校生のキョーコにとって4つの年齢差は大きい。
その遠慮を感じ取っている蓮にとっては余計不安が募るに違いない。

しかし、そんなことを正直に言ったら担当俳優は一気に日本海溝の底に沈ずみこんでしまうだろう。


少し話題を変えようと社は試みた

「キョーコちゃん、どんな写メ送ってくれたんだよ。ちょっと見せてくれ」

差し出された携帯を覗き込む

1枚目は出発前の羽田
2枚目は那覇空港
3枚目は昼食
4枚目は…

それで十分だった。


社はニタニタと笑う

「もういいよ。ご馳走さん。惚気は結構だから。」

えっ、と蓮が顔を上げた

「どこが惚気っていうんですか!?」
「え、もしかして気付いてないの?蓮く~ん。まずいんじゃないの。彼女からのサ・イ・ン、見逃すなんてさ」

サイン、と言ってもキョーコは写っていない。蓮は慌てて写真を見返す。
社が気付いたということは、それぞれの写真に共通して写っているものなのか

(そんなのあったか?)

1枚目、2枚目、3枚目…
共通しているもの…画面の端に写ってしまったと思えるようなぼやけたそれは、4枚目で形を把握できた。

グリーンを主体とした色で構成されたそれ

それは蓮がよく知るモノだった。


(中編に続く)

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コメント

6. Re:ありがとうございます

>くりくりさん
リクエストの強要にお付き合いいただきありがとうございました。
リクいただいてすぐにパーッと湧き上がった気持ちそのままに書きなぐっております。
年下彼女を温かく見守る男を演じた反動で落ちに落ちてる哀れな敦賀さん…
これからは浮上しますよ~
あと2話よろしくお付き合いください。

2014/07/10 (Thu) 08:51 | ちょび | 編集 | 返信

5. Re:100名!

>mokaさん
有難うございます!mokaさんからの嬉しいお言葉の数々のおかげです!
おパンツ同盟まで立ち上げといて、いつまでもチキンチキンと言うのも往生際が悪いので、そろそろオープンに行こうかと覚悟を決めようかなと
B.P.Dはmokaさんはじめ皆様の暴走の上に成り立ってます。私はもう一読者気分ですよ~(*^▽^*)

キョーコちゃんは写メと聞いて自分を撮るなんて発想は微塵もないかと…たぶんブツブツいいながらベストショットを求めて携帯かまえてます
敦賀氏は鋭いようで肝心なとこ見てないですからね~。乙女脳のヤッシーといいコンビです(笑)

2014/07/10 (Thu) 08:46 | ちょび | 編集 | 返信

4. ありがとうございます

この度は、アメーバ100名突破、おめでとうございますo(〃^▽^〃)o

そして、アメンバー承認と素敵なお話ありがとうございますヾ(@°▽°@)

キョーコが旅立ったその日に、もう禁断症状が出ている蓮に思わず吹き出しました。

キョーコの送ってきた写メに何が写っていたのか、ものすごく気になります。

後編も楽しみにしています♪

2014/07/10 (Thu) 00:01 | くりくり | 編集 | 返信

3. 100名!

アメンバー様、100名おめでとうございます!もうチキンハート云わないで大丈夫でしょうー(‐^▽^‐)などと思いますですよ!
B.P.Dの主宰様の働きに、勝手気ままに暴走させて頂いている私が偉そうに何をほざくかですが。

キョーコちゃんの写メ、自分撮りがないのもキョーコちゃんらしいですが、蓮さんの期待はそっちだったのじゃ、、それにしても、社さんには伝わったサイン‼︎蓮さん恋愛脳を上げないと!

2014/07/09 (Wed) 23:57 | moka | 編集 | 返信

2. Re:気になります

>ナーさん
気にしてくださってありがとうございます。
平々凡々なものですよ~

2014/07/09 (Wed) 23:42 | ちょび | 編集 | 返信

1. 気になります

何が映ってるんですかーっ。撫で愛でるもの・・・。
続きが気になります。

そして社さんが行うマネジメントの9割は蓮さんのキョーコちゃん欠乏症対策だと思います!

2014/07/09 (Wed) 21:46 | ナー | 編集 | 返信

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