2014_07
29
(Tue)12:00

有意義な雨宿り

思い付きのつまらぬネタ。
コミック33巻ACT.196をお手元に置かれて読まれることをお勧めいたします。(なくても読めます)


観察官貴島秀人シリーズ


2014/7/29初稿
■有意義な雨宿り



貴島の乗った車が地下駐車場に入庫する寸前、猛烈な雨が降り始めた

「よかったな。早めに出て」
「だねー」

マネージャーとエレベーターに向かっていると、前から来るのは見知った顔。

「貴島君おはよう」
「おはよ、敦賀君。もしかして今から出るの?やめといた方がいいよ」
「?」
「ここに入る寸前からゲリラ豪雨。もう前なんて見えないから、あぶないって」

そんな立ち話をしているうちにの後ろに控えたメガネのマネージャーの携帯が鳴った

、雨の様子見るから2時間撮影遅らせるって」

貴島もまだ時間があったのでお茶に誘い、そのままエレベーターで1階のカフェに向かう
雨の影響もあっていつもより人の多いフロア。貴島の目に入ったのは、立ち止まって携帯をポチポチいじっているキョーコの姿。
貴島はチラリと横の抱かれたい男№1を見た…が、いなかった。

(えっ?)

たった今まで並んで歩いていたはずの男はキョーコの前に瞬間移動している。

「最上さん、おはよう」
「っ!敦賀さん、おはようございます!移動ですか?」
「移動しようと思ったけど、雨で撮影が延びたから貴島君とお茶をしよって話になって」

こちらを見たキョーコに手を振ると、丁寧なお辞儀と挨拶が帰ってきた。

「最上さんはここで収録?」
「ここでの仕事は終わったんで移動しようと思ったんですけど…」
「まさか、自転車じゃないのよね?」
「自転車…なのですが、流石に無理かなと思って」
「次どこ?」
「あ、TBMです」
「方向一緒。送るから、今日は自転車諦めて」

うーとか、あーとかブツブツ言っていたキョーコが頷くのを待って貴島は話しかけた

「京子ちゃんは時間ある?あるなら敦賀君とお茶しようよ」
「えっ?でも…」
「お茶付き合ってよ。最上さん」

キョーコはまた唸り声を上げたが、観念したらしい

「じゃあ、ご一緒させていただきます」

もじもじとそう告げる。そんなキョーコに微笑むを見た貴島は改めて思う

(…こんな顔晒しているのに、どうしてDM中に気付かなかったんだろ)

缶コーヒーのCM撮影の時にあからさまに牽制されてからしばらく経つ。
着飾ったキョーコは確かに好みだったが、それを巡って仕事仲間とドロドロした争いなんてしたくない
その仕事仲間の中でもは仕事の能力は申し分ない上に、一緒にいると相乗効果で沢山女の子が寄ってきてくれ、なおかつ競争相手とならない非常に美味しい存在なのだ。

(どんな女の子からのアプローチも上手にかわすと思ったら、まさかこんなに一途な恋してるだなんてねえ)

*
*

カフェのスタッフが案内してくれたのは、観葉植物と柱で周りから見えにくい席。
そのせいか、は隠すことなく甘々しい視線をキョーコに送っている。
当のキョーコはメニュー選びに必死で全く気付いてないところがまた面白い。

それぞれの仕事やDMファミリーの近況など話は弾む


キョーコが悩みに悩んだ末に決めたアイス抹茶ラテが半分ほどになった頃

「やっぱり敦賀君だ。お久しぶりね!」

少し控えめのトーンでかけられた声に貴島とは振り返った

「十和田さん、お久しぶりです」

立っていたのは一時期CM女王と言われ、大河の主役の経験もある女優だ。

「本当に久しぶりね。あら、貴島君もいたんだ」
「ひどいなあ。睦美さん、この間まで弟だったのに」
「ふふっ悪い弟だったわよね。こちらは…」
「京子です。はじめまして」
「京子さんだったの?分からなくてごめんなさいね。はじめまして。十和田睦美です。DMファミリーでお茶なんて贅沢ね」

暫く世間話をした後、睦美は撮影があるからとカフェを出て行った。

「十和田さん、お子さんもいらっしゃるのに本当にお綺麗ですよね」

キョーコはほぉっと息をついた。

「敦賀君、十和田さんとは最近仕事してないの?」
「うん。あのドラマの後CM1本出て、それ以後全く。ご結婚されてお子さんもいらっしゃるから、セーブされてるみたいだしね」
「ああ、あのドラマね」

懐かしいなあ。俺も見てたよ。と言うと、キョーコには分からないようだ。

「京子ちゃん、見てない?『魔女の法律』」
「最上さんはまだドラマ見てるような年齢じゃなかったんじゃないかな?」

しかも結構濃いドラマだったからね、と蓮は苦笑した。

「5年前くらいかな?俺のドラマデビュー作なんだよ」

その言葉にキョーコは身を乗り出した。

「どんなお話だったんですか?」
「簡単にいえば教師と生徒の禁断の愛。俺が生徒役で、十和田さんが美貌の教師役」
「もうすっごく濃くてさあ。初めての夜の話なんて10代だったから刺激的だった」

好きな子の前で己の濡れ場の話題を持ち出されたからか、蓮が居心地悪そうなのがこれまた面白い。
貴島はその話題を続けた。

「別に過激なシーンなんて1コマもなかったのに、女教師が教え子の服を脱がすシーンは異様に官能的だったなあ。一緒に見てたお袋がチャンネル変えようとするから阻止するの大変だったよ。」

その言葉にキョーコが反応した

「…それって暖炉の前のシーンですか?」
「ん?ああ、そういえばそうかも…。なんだ京子ちゃん見たことあるんだ」

おませさんだったんだね。とのぞいたキョーコの顔は真っ青だ

(え?なんで?)

訳が分からなくて、その先輩俳優の方を見ると、頬杖ついて何やら思案顔でキョーコを見つめている

(???なんなんだ?)


「…そうか、あれが手本か…」

蓮のつぶやきに肩を揺らしたキョーコの顔色は青を通り越して白い。

(手本?何が?)

その後は頬杖をついたまま黙って見つめる蓮に、キョーコはもう蛇の前のカエル状態だ。
なんだか尋常じゃないほど汗をダラダラかいている。


「最上さん」
「はひっ!」
「ラテ、飲んだら?」
「は、はひっ!」

ズッズッズッ…

何かのカウントダウンをするかのように吸い込まれていく抹茶ラテ
残すは氷ばかり、となると、蓮はキョーコに微笑んだ。
それはもう麗しい笑顔で

「さて…そろそろ行こうか。最上さん」

時間はまだ随分早いはずだ。
だが、そんなことを言ったらなんだか恐ろしい目に合いそうで貴島は静観することにした。
この業界、空気を読むことが何より大切だ。

「じゃあ、貴島君。有意義な時間をありがとう。」

そういうと、キョーコとマネージャーを引き連れて優雅に去っていく。
キョーコにつけられた首輪と鎖が見えたのは幻覚だろうか。


テーブルを移ってきたマネージャーの言葉に生返事をしながら、先程のことを振り返る。

何がなんだかさっぱりわからない

(手本?ってことはまさかキョーコちゃん、敦賀君の服を脱がしたことにあるとか?)

いやいやいや…あのいかにも奥手そうなキョーコがそれはないだろう。
おまけにどう見ても付き合っていないのに、服脱がすって

(無い。無い。無い。)

じゃあ、いったい何なのだ。
むむむっ、と心の中で唸りながらコーヒーをすする

やっぱりあの二人は面白い。

抱かれたい男№1俳優の一途な恋に、天然鈍感娘。
そして、その2人の間にある謎

(今度三人で晩御飯食べたいって言ったら敦賀君来てくれるかな~)

もし、OKなら好みの看板娘がいるあの店にしよう。
貴島は思案しながらコーヒーを飲みほした。



(FIN)






ACT196のドラマに出てる男の子は敦賀さんに見えるよね?そうだよね?
と、皆様に聞きたかっただけのお話♪

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コメント

10. Re:有意義!

>mokaさん
お疲れ様です!今日は火サスなくて寂しかったですよ~

敦賀氏、いけない高校生似合いますよね?誘惑しながらもどこか躊躇する女教師を最後は若さの勢いで押し倒すんです。きっと!
(ちなみに私、素面です…)

2014/07/30 (Wed) 00:49 | ちょび | 編集 | 返信

9. Re:いい!!!

>きらりhosiさん
有難うございます!
最初に浮かんだ絵がカエル状態のキョーコちゃんと頬杖ついてそれを眺める敦賀さんだったのですよ。
この後は、キョーコちゃんが逃亡を図り捕獲劇が貴島さんを巻き込んで…と迷走しそうなので書くのはやめといた方がよさそうです( ̄▽+ ̄*)

2014/07/30 (Wed) 00:44 | ちょび | 編集 | 返信

8. 有意義!

観察官貴島γ(▽´ )ツヾ( `▽)ゞ
それだけで盛り上がった上に!
アレが実は蓮さんだった(///∇//)素敵♡
確かにアレは年下っぽいし、うんうん!

キョーコちゃんの大ピンチ。夜の帝王を感じるのも、あのビジョンのせいかしら?
それにしても、蓮さん、、、誘惑される高校生、、、似合いますね!
(酔った勢いもあってごめんなさいです!)

2014/07/30 (Wed) 00:44 | moka | 編集 | 返信

7. Re:おぉ!

>nanatakeママさん
そう思っていただけて、有難うございます!
なんか19巻のAct113の若き日?の敦賀さんとダブるのですよ~

2014/07/30 (Wed) 00:36 | ちょび | 編集 | 返信

6. Re:うろこ

>ナーさん
キョーコちゃん馬乗り事件では相当のダメージ受けていましたからね。相当甘い甘いイジワルすると思われます:*:・( ̄∀ ̄)・:*:
3人でご飯…貴島さん誘ったこと後悔しそうですよね

2014/07/30 (Wed) 00:31 | ちょび | 編集 | 返信

5. Re:あはははは!!!

>seiさん
ちょびのイカレタ目にはどうしても敦賀さんに見えちゃうのですよ~(*^▽^*)
この後…ですか…きっとセクハラの嵐になりそうで…社さんはさっさとタクシーで逃げそうですしねっ( ̄▽+ ̄*)

2014/07/30 (Wed) 00:24 | ちょび | 編集 | 返信

4. いい!!!

キョコちゃん真っ青を通り越して、真っ白。レン君はそれを興味深そうに見て、何かを考えている・・・すごく目に浮かんでニヤニヤしてしまいますww
この後どんな会話が繰り広げられるのでしょか!
もう、面白いです!!

2014/07/30 (Wed) 00:20 | きらりhosi | 編集 | 返信

3. おぉ!

確かに!言われてみればそうみえる。
すごい!
蓮さん懸念事項ひとつ解決ですね。
ちゃんと33巻用意して読みましたよ♪
楽しかったです。

2014/07/29 (Tue) 21:33 | nanatakeママ | 編集 | 返信

2. うろこ

目から鱗です!!
そっかー。自分の演技で自分の首絞めて、
今はキョコさんの首を絞めてるんですね!!
無限ループ。
楽しすぎます。(‐^▽^‐)
3人でごはん食べに行くお話、希望です!

2014/07/29 (Tue) 15:21 | ナー | 編集 | 返信

1. あはははは!!!

面白すぎです。

( ´艸`)

個人的にはあれは大人同士のイメージでしたけど、この展開も有りだと思いました!(爆) ←
再放送でクーだったとかもいいですね。笑

このあとのキョコさんが心配で・・・・楽しみです。← Ψ( ̄∇ ̄)Ψ

2014/07/29 (Tue) 14:57 | sei | 編集 | 返信

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